世界一美しい湖畔の町と白い黄金!ハルシュタット

(⁎˃ᴗ˂⁎)「さあ!今日の世界遺産はどこですか?」
(#^.^#)「今日はオーストリアハルシュタットやで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「山の麓にある綺麗な町ですね!まるで湖に姿を映しているみたいです!!」
(#^.^#)「世界一美しいと謳われる湖畔の町、ハルシュタットや♪自然と調和した街並みが芸術的なたたずまいを見せとるでな♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「で、ハルシュタットはどこにあるんですか?」
(#^.^#)「(オーストリアと言ったはずやが…(^^;)アルプスの東の端、オーストリアザルツカンマーグート地方やで。断崖の下の少し突き出たところがハルシュタットの町や。このハルシュタットの一帯と背後にそびえるダッハシュタイン連峰が世界遺産なんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「この町、すごいですね!断崖と湖の間にある急勾配の斜面に家が建ってますよ!!」
(#^.^#)「だからこそハルシュタットは世界一美しい湖畔の町と言われるんや。もちろん利用できる土地は狭い…それを有効活用するために多くの建物が3、4階建てなんやで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「この広場、斜面に合わせて上手く作られてますね!」
(#^.^#)「急な階段や路地の周囲に家々が折り重なるように立っとるでな。この小さな町におよそ900人が住んどるんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「みんなお隣さんですね!ところで…この断崖の町はどうやって出来たのですか?」
(#^.^#)「この地形、そしてこの町を作ったのは氷河やで。ハルシュタットの奥、青い湖の向こうにそびえるダッハシュタイン連峰が氷河の源や」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「夏でも雪が解けないんですね!」

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(#^.^#)「せやな。そもそもダッハシュタイン連峰は20×30kmもの広大な面積があるんや。そこには2500m級の山頂群が数十個あるで。その最高峰は2995mやな。山頂群の中でも南から南西部にあたる地域は特に高いんや。北から眺めるとダッハシュタイン連峰は氷河に覆われ、そこから数々の頂が突き出ているように見えるでな。逆に南側から見るとほとんど垂直で谷底に落ち込んでいるように見えるで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「つまりいくつもの峰を持つ雄大な山なんですね!」

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(#^.^#)「…(^^;鋭く切り立つ峰々の中に十字架が立っているところがあるやろ?そこが山頂や」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「湖側の斜面に氷河がありますね!これが氷河の源ですか?」
(#^.^#)「せや。ダッハシュタインに降り積もった雪は万年雪になるんや。それでな、氷河は万年雪が固まって氷となったものなんや。やがて氷河は自らの重みで山肌を削りながらゆっくりと流れ出す…そして地形を変えていくんや♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ハルシュタットの湖は氷河が削った谷に水が溜まってできた氷河湖なんですね!」
(#^.^#)「せやせや。左右から迫る断崖も氷河が流れながら削ったものなんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「氷河が作った断崖の最中に町を築くなんて…胸熱ですねっ!」

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(#^.^#)「氷河が造り出すのは地形だけやないで。自然の芸術も造り出すんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「これは…氷の塊ですか?おっきいですね!青く輝いていて綺麗です!!」
(#^.^#)「高さは10mほどやで。この巨大な氷の塊は標高1300m付近の洞窟の中で見られるんや。春になると雪解け水が洞窟の中へ染み込んでくるんやが、洞窟の奥は春なのに氷点下なんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ということは水は再び氷になって積み上がるんですね!」
(#^.^#)「せや。春の雪解け水がダッハシュタインの山中に造り出す芸術やで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ハルシュタットが美しい所なのは分かりましたが…どうしてこんな辺鄙な所に住んでるんですか?」
(#^.^#)「ここにはな、山が人にもたらす大きな恵みがあるんや。かつてそれは白い黄金と呼ばれたんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「黄金ですか!すごいですね!!」

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(#^.^#)「…(^^;ここはハルシュタットから北へ35kmほど行ったところや。この鉄道は100年ほど前に木材を運ぶために建設されたんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「可愛いですね!でもこれ、どこかで見たことがあるような…」
(#^.^#)「映画『サウンドオブミュージック』にも登場した鉄道やで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「分かりましたよ!その木材が白い黄金なんですね!!」

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(#^.^#)「ちがうで♪まずはこの大パノラマを見ろ…話はそれからだ!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「綺麗ですねぇ…はいっ見ましたよ!」
(#^.^#)「…(^^;この一帯はな、ザルツカンマーグートと呼ばれる地方なんや。ザルツカンマーグートとは塩の取れる領地という意味や。その名の通りここは塩の宝庫なんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「白い黄金とは塩のことだったんですね?」

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(#^.^#)「せや。ここに住む人々は地下に眠る岩塩を採掘してきたんや。中でも豊富な採掘量を誇ったのがザルツカンマーグート地方の奥地にあるハルシュタットや。決して便利とは言えないこの土地で3000年以上も前から暮らしてきたんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「3000年も前から!すごいですね!!」
(#^.^#)「町の背後の崖を登ったところに岩塩を掘るための坑道、岩塩坑があるで。緑の中に立っているのが採掘用の施設や」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「この下に3000年続く岩塩坑があるんですねっ!」
(#^.^#)「ここが入口や。採掘は今も続いとるんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「もしかして…あの周りよりも少し白い層が岩塩ですか?」

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(#^.^#)「せやで。こっちは3000年ほど前の階段や。この坑道に残る一番古い痕跡やで。ここから岩塩を運び出していたんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ちょっと待ってくださいっ!塩が金にも等しい貴重品ならば…ですよ?塩の取引で大金持ちになった人がいるんじゃないですか?塩田王とか!!」
(#^.^#)「ええとこに気がついたな!塩田王じゃあないけど白い黄金の恩恵に大きく預かった国があるで。ハプスブルク帝国や♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「オーストリアのウィーンに都を構えた広大な帝国ですね!」
(#^.^#)「せや。16世紀頃に最盛期を迎えた帝国や。そしてそのシンボルがシェーンブルン宮殿や。このシェーンブルン宮殿世界遺産なんやが今日の主役はハルシュタットやから割愛するで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「荘厳な宮殿ですね!大金持ちだったのがよくわかります!!」
(#^.^#)「岩塩の採掘から製塩、交易まで全てをハプスブルクが独占しといたからの。帝国が誇った莫大な富を支えたのがザルツカンマーグートの塩だったんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ところで…どうしてアルプスの山の中で塩が取れるのですか?」
(#^.^#)「それはな、ここがかつて海の底だったからや。その証拠がハルシュタットの湖を見下ろす山の中腹にあるで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「この白い岩のことですか?所々におっきい穴が開いてますね!うっかり落ちたらタイヘンですよ!!」
(#^.^#)「岩の正体は雨水に溶けやすい石灰岩や。その巨大な穴は長い間、水に侵食されてできたんや。ほれ、岩場をよく見てみ」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ハートのような形が見えます♪」

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(#^.^#)「牛のひづめと呼ばれとるんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「牛のひづめって…」
(#^.^#)「…(^^;大きさは色々あるが、二枚貝の化石なんや。こうした石灰岩の岩場でよく見られるものやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「昔々は海の底だったからこんな山の上に貝の化石があるんですね!」
(#^.^#)「今から約3億年前のことや…海の一部が切り離され塩水の湖になったんや。やがて湖は結晶化し岩塩の層ができたんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「分かりましたよっ!その後、再び海に沈んだんですね?」
(#^.^#)「せや。そして、岩塩の上に貝などの死骸が堆積し石灰岩の層ができたんや。それからこの一帯は隆起しアルプス山脈になったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「こういうのを見ると地球は生きてる!って感じちゃいますね!!」
(#^.^#)「アルプスの塩で栄えたハルシュタットやが…ここの魅力は塩だけじゃあないんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「綺麗な湖ですか?」

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(#^.^#)「当たらずといえども遠からずやな。ハルシュタットの人々は山で岩塩を掘り湖で漁をして暮らしてきたんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「これ、舟屋ですね!昔ながらの風情を感じますね!!」
(#^.^#)「小屋から船で湖に漕ぎ出し漁をしとったんや。マスが獲れるみたいやで♪ただ、今はそんなに盛んではないみたいやな…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ちょっと残念です…」
(#^.^#)「山中から掘り出した岩塩やが…かつては小舟で町から運び出していたんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「湖から川を下り下流の大きな街へ運んでいたんですね!」
(#^.^#)「とはいえ、湖から連なる川の流れはかなり急なんや。命の危険もあるで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「そうなると陸路で行くしかないですね!走りましょう!!」
(#^.^#)「ハルシュタットの背後には険しい崖が迫っとるからの…陸路も無理なんや。そもそも陸路で運べんかったから水路で運んどいたんやで。まぁ、どちらにせよ重い岩塩をそのまま運ぶのは大変な作業なんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「頑張ればなんとかなります!」
(#^.^#)「…(^^;なんともならんのや。そこで考え出されたのがパイプラインを使って塩を運ぶという方法だったんや。400年前のことやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「採掘した岩塩をそのまま運ぶのではなく水に溶かして運ぶ…ということですね!これは画期的ですね!!」

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(#^.^#)「ここは塩水のプールやで。ここがパイプラインのスタート地点や♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「この木製のパイプに流し込むんですか?」

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(#^.^#)「せやで。昔は木製のパイプを使っといたんや…今は鉄製やけどな。坑道を出たパイプはまず崖を下り湖に沿って伸びていくんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「なんだかワクワクしますね!」

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(#^.^#)「道中で深い谷にさしかかるんやが…ここにパイプラインを通すために作られたのがこの橋や♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「塩水が流れやすいように左から右へ僅かに傾斜をつけてありますね!」
(#^.^#)「かつては橋の床上を木製のパイプが通っていたんや。今は床板の裏側に鉄製のパイプを通しとるでな。もちろん塩水は今もこのパイプの中を流れているんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「岩塩を溶かして運ぶという発想がすごいですね!」
(#^.^#)「この塩の道は川に沿って下り下流にある製塩所まで続いとるんや。塩水は遥か40km先までパイプの中を流れていくんやで」

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(#^.^#)「三千年の歴史を持つ塩の町としてハルシュタット世界遺産になったんや。ハルシュタット(Hallstatt)のHallはケルト語で塩、stattはドイツ語で場所を意味しとるんやで。まさに塩の町やな。湖畔に家々が並び立つ美しい景観はオーストリアの代表的な風景として観光ガイドにも用いられているんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「最近では観光地として脚光を浴びているんですね!」
(#^.^#)「お土産はやっぱり岩塩やな。料理に使う岩塩だけで見てもハーブやガーリック、スパイスが入っているものなど種類はとっても豊富なんや。好みに合わせて使い分けるとめちゃうまやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「この美しい町は塩によって生まれ栄えているんですね!」

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www.hallstatt.net

ja.wikipedia.org

whc.unesco.org

ja.wikipedia.org

スマホ版ではサイドバーのリンクが表示されないので各記事へのリンクページ(五十音順)を作りました(#^^#)

takanasuougi.hatenablog.jp