幻想的な滝雲と太古の昔から続いている照葉樹の森!ガラホナイ国立公園
(⁎˃ᴗ˂⁎)「今日もやってきました!世界遺産の時間ですよ~!!」
(#^.^#)「今日はスペイン領カナリア諸島にあるガラホナイ国立公園やで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「カナリア諸島って大西洋に浮かぶ島々ですよね?あれってスペイン領だったんですか?」
(#^.^#)「せやで。15世紀の末に後のスペイン王国の中核となったカスティーリャ王国が征服しとるんや。アフリカ大陸の北西に7つの島が並んどる諸島やな。ガラホナイ国立公園があるのはカナリア諸島のラ・ゴメラ島やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「怪獣がいそうな名前ですね!」
(#^.^#)「…(^^;ラ・ゴメラ島は直径22kmほどの丸い島なんやで。海辺の平均気温は20℃くらいで温暖やな…島には21000人ぐらいが暮らしとるで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「海岸線に断崖が続いてますね!これは事件の現場になりますよ!!」
(#^.^#)「…(^^;ラ・ゴメラ島は溶岩でできた火山島なんや。そもそもカナリア諸島そのものが火山活動によって誕生したんやで。特に島の北部の崖は表情豊かなんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かにただゴツゴツしてるだけではないですね!岩肌に走ってるこの縦の筋…まるで柱が無数に密集しているようですね!」
(#^.^#)「これはな、柱状節理と呼ばれるものやで。柱状節理は溶岩が固まる過程で生まれたものなんや。溶岩は時間をかけて冷え固まると規則正しく柱上に亀裂ができるんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「まるでパイプオルガンみたいですね!」
(#^.^#)「これを見たスペイン人も同じことを感じたんやろうな…彼らはこの崖をロス・オルガノスと名付けたんや。スペイン語でパイプオルガンという意味やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「今も昔も感じることはそんなに変わらないんですね!」
(#^.^#)「火山活動の痕跡はここだけやないで。森に包まれた山頂付近にもあるんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「巨大な岩がいくつもありますね!」
(#^.^#)「これらの岩はかつての溶岩ドームなんやで。まず、粘り気の強いマグマが盛り上がり固まってな…その後で侵食により硬い部分だけが残り岩山になったんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「こんなにも巨岩があるのはマグマがあちこちで上昇したってことなんですか?」
(#^.^#)「せや。今でも活発に活動している火山もあるんやで。それが隣のテネリフェ島にあるテイデ山や♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「日本の富士山によく似た山ですね!」
(#^.^#)「標高も富士山に近い3718mなんやで。大西洋では一番高い山や。テイデ山とその周辺はテイデ国立公園になっといてな、ここも世界遺産なんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「火山ガスが噴出してますね…さすが活火山です!」
(#^.^#)「ラ・ゴメラ島は火山島、そしてテネリフェ島も火山島。とくれば…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「カナリア諸島は火山島の連なりなんですね!」
(#^.^#)「せやせや。ここには東に移動するプレートの下にマグマが噴き出すホットスポットがあるんや。そして大きな噴火の度に島が生まれたんやで。せやから七つの島が東西に並んだんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それがカナリア諸島の成り立ちなんですね!」
(#^.^#)「ガラホナイがあるラ・ゴメラ島ができたのはおよそ1100万年前のことやと考えられとるんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「でもこの島って不思議ですね!岩がちな島の大部分は乾燥してるのに山の上の方は緑豊か…なにかおかしくないですか?」
(#^.^#)「ええとこに気がついたな!その不思議こそがガラホナイを世界遺産にしたんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「伊達に世界遺産を勉強しているわけではないですよ!」
(#^.^#)「ラ・ゴメラ島でそんなに雨が降らないのは間違いないんや。海辺の乾燥地帯では砂漠と同じくらいの降水量のところもあるぐらいやからの。あそこに森をもたらしたのは雲やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そんなに都合よく雲ができるんですか?」
(#^.^#)「となりの島からラ・ゴメラ島を見るとな、島の上空に帯状の雲が水平にたなびいているのがよく分かるんや。このあたりでは高度1000m付近にこのような雲が発生するんやで。それは山の高さとほぼ同じなんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「つまり山と雲の高さがたまたま同じくらいだったから山の上の方に森が生まれたってことですか?」
(#^.^#)「それだけやないで。カナリア諸島の上空には一年中同じ向きの風が吹いとるんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「貿易風ですね!」
(#^.^#)「せや。それでな、この貿易風は北半球では北東から南西に吹くんや。特に高度1000m付近の風は湿気が多く、この風が海上に発生した雲を島に運んでくるんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「毎日のように現れる雲が湿気をもたらし、雨があまり降らないガラホナイの地にこの不思議な森を産んだんですね!」
(#^.^#)「ここまでくると森が島の北側に偏っているのも簡単に理解できるでな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「北東から風が吹くからですね!」
(#^.^#)「雲はこの地にコケに覆われた幻想的な森を産み出しただけじゃあないんやで。この島には1年でわずか20日ほどしか見られない美しい自然現象があるんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「すごいですね!雲が山の尾根を越えて滝のように流れ落ちてますよ!!」
(#^.^#)「滝雲やで♪この現象が起きるにはいくつもの条件が必要なんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どんな条件ですか?」
(#^.^#)「まず、山と同じくらいの高さに水分量の多い雲が発生することや。この時、上空には暖かい空気の層がないとだめなんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それだと雲が山と暖かい空気の間に閉じ込められちゃいますね!」
(#^.^#)「こういう状態になった時に強い風が吹くと逃げ場のない雲は山の尾根に沿って流れ落ちていくんや。この滝雲も貿易風が運んできた雲なんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「とっても神秘的な光景ですね!」
(#^.^#)「そしてこの水平にたなびく雲が産み出したものが山の上だけにある森なんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「雲の話ですごく盛り上がっちゃいましたね!」
(#^.^#)「…(^^;雲の湿気によって育まれた森は一年の間ずっと緑の照葉樹なんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「うっそうと茂ってますね!なんだかワクワクしてきました!!」
(#^.^#)「この森は少なくとも1万年以上続いていると考えられとるんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「まさに太古の森ですね!」
(#^.^#)「多くの木がコケに覆われとるやろ?このコケが湿気を捕らえ森を潤したんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「コケさまさまですね!」
(#^.^#)「かつて照葉樹の森はヨーロッパ南部に広く分布していたんやで。でも、氷河期にそのほとんどが失われてしまったんや…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ここは大丈夫だったんですか?」
(#^.^#)「カナリア諸島には氷河が及ばなかったからの…それで生き残ることができたんや。といってもこの地が木々にとっての楽園ってわけでもないんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どうしてですか?」
(#^.^#)「確かに雲は森を潤してくれるが、日の光を遮ってしまうものでもあるんや。せやから木々はわずかな光を求め身をよじるように枝を伸ばすんやで。それでも木々の寿命はそんなに長くはないんや…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「厳しい世界なんですね…」
(#^.^#)「そんな森の中に樹齢が数百年という巨木があるんやからすごいでな!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ホントですか!まさに木の王様ですね!!」
(#^.^#)「それがこれ、この地域の固有種ビニャティゴや。何本も生えているように見えるけど、一本の木なんやで。古い幹が朽ちても新しい幹を次々に作ることで命を繋いできたんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「一つの根で何百年も生き続けている木は威厳がありますね!」
(#^.^#)「今さらやけど…森を降りるとそこにははからっからに渇いた世界が広がっとるんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かに今さらですね!」
(#^.^#)「はたしてそうかな?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「むむっ…よく見ると海沿いにも関わらず緑豊かな場所がありますね!」
(#^.^#)「畑やで♪しかも育てているのはバナナやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ちょっと待ってくださいっ!ここは雨がほとんど降らない荒涼とした岩の島ですよね?そもそも熱帯で栽培されることが多いバナナなんて無理じゃないですか?」
(#^.^#)「ついさっき見てきたガラホナイの森を潤す水、それは雲が運んだものや。そして雲は小さな水の粒が集まったものやで。それを集めてくれるのがコケなんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「コケが雲を水滴にしているんですね!」
(#^.^#)「せや。雫はやがて清流となり雨がそれほど降らないこの島でも豊かな流れが生まれるんや。この島では標高が下がれば森は途絶えるが、水の流れが途絶えることはないんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「森の水が麓に暮らす人々の暮らしを支えているんですね!」
(#^.^#)「森は天然の貯水タンクなんや。水が豊富にあるからこそ雨の少ない海沿いに畑が生まれ、様々な作物が栽培されるんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「もともと温暖な島だから水を大量に必要とするバナナも作れるんですね!」
(#^.^#)「平らな土地が少ないから段々畑になっとるのもええな♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「のどかな景観ですね~♪」
(#^.^#)「世界でも貴重な照葉樹の森を育む高地と岩だらけの乾燥した低地。ラ・ゴメラ島は二つの顔を持つ島やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「雲が織り成す不思議な島ですね!」
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