オランダはオランダ人が造った!今もその原風景を残すキンデルダイクの風車網

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「今日もやってきました!世界遺産の時間ですよ~!!」
(#^.^#)「今日の世界遺産はオランダのキンデルダイクの風車網やで。オランダの西部にはライン川の支流がいくつも流れデルタ地帯を形成しているんや。そのライン川の支流の一つであるレック川のほとり、小高く盛られた堤の向こう側がキンデルダイクの村やで(^^♪」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「のどかな水面とオランダの水辺の集落…牧歌的でいいですね!」
(#^.^#)「風を受けて土手に立つ風車が回る様はかつてオランダで広く見られた原風景や。とはいえ19基もの風車が立ち並ぶ姿は今ではこのキンデルダイクだけなんやで。ちなみにキンデルダイクとは赤ちゃん堤防という意味なんや。その地名は赤ちゃんを乗せたゆりかごが洪水で堤防に流れ着いたことに由来しているんやで♬」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「18世紀に築かれたんですよね、これ。300年近く前に造られたのに今も現役ってすごいですね。まさに風車が見せる絶景ですよ!」
(#^.^#)「見渡す限りの平坦な大地が続くオランダの正式な国名はネーデルラントや。低い土地という意味なんやで。その名が示す通り国土の1/4が海抜0m以下なんや(^^♪」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「吹き付ける海風を活かして風力発電をしてますね。水路が縦横に走り幅の広い運河に沿って巨大な風車が並び立っていますよ!」
(#^.^#)「キンデルダイクは1km四方にわたって広がっているんや。奥に見える緑は牧草地やで♬」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「ここにオランダで最も多い19基の風車群があるんですね!綺麗です…」
(#^.^#)「この風車の群れは18世紀の半ばから20年の歳月をかけて築かれたんや。その目的は治水のためやで(^^♪」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「洪水が起こらないように風車を使って排水しているんですね!」
(#^.^#)「粉挽きなどに使われていた風車を治水用に改良したんや。最盛期にはオランダ全土で1万基以上が回っていたんやで♬」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「時代とともに数は減ってきましたけど、キンデルダイクでは今も19基が稼働しているんですね!」
(#^.^#)「これほどまとまった形で風車が残されている場所は他にはないんや。キンデルダイクは風車の村なんやで(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「昔ながらの風車はどれもれんが造りで味がありますね!」

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(#^.^#)「屋根は水辺に生える芦で葺いているんや。高さは18mだから…ちょうど6階建てのビルくらいやな♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「1738と書いてありますけど…あの数字は何ですか?」

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(#^.^#)「あれはこの風車が造られた年が記されているんやで(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「帆を貼った4枚の巨大な羽根で風を受け止め風車が回ってますね!でも、どうやって風車で洪水を防いでいるのですか?」

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(#^.^#)「まずは高低差に注目や。風車が立つ中央の運河より周りの土地が1.5mほど低いやろ?せやから低い土地の水を風車で汲み上げて運河に流し洪水が起こらないようにしているんや♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「運河はもともと排水路として造られたのですね!」
(#^.^#)「風車を何基も並べて水位が上がらないように調整したんやで。建屋の中では水車が水しぶきをあげ勢いよく回転しているんや(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「水車が回転することで水をかきあげるのですね!」

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(#^.^#)「一基で毎分1万リットルもの水を低地から運河にかきだすんや。風力を歯車で水車に伝え排水する…これがオランダで発明された排水用風車やで♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「風車は排水ポンプ場なのですね!」

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(#^.^#)「風車が重要な役割を果たしているのは間違いないが、それだけではないんやで。風車と土手、水路のネットワークで洪水を防いでいるんや(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「25mのプールの水なら19基の風車で2分ぐらいで排水できますね!」

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(#^.^#)「ここはオランダにある湿地の一つや。干拓される前のキンデルダイクはこんな感じで水浸しだったんやで♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「これだけ水浸しだとそれぐらいの排水能力はいりますね…そのおかげで元々は湿地帯のこの一帯を干拓できたのですね!」

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(#^.^#)「干拓して村を造り周りの土地は牛や馬の放牧地にしたんや。干拓は10世紀頃から始まったんやで(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「どうやって水を抜いていったんですか?」

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(#^.^#)「まず湿地を堤防で囲い水が流れ込まないようにするんや。次に水路を掘り水を抜いていくんやで♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「でも、こうした干拓地って地盤が沈下しませんか?」
(#^.^#)「そこで風車の出番や。風車を並べて排水したんやで。オランダの国土の1/4は干拓地でそれは北海に面した西部に広がっているんや。キンデルダイクだけではなく大規模な干拓によって農地を生み出した場所も世界遺産になっているんやで(^^♪」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「それがこのベームステル干拓地ですね。ここの面積は山手線の内側より広い72㎢もあるんですよ!」
(#^.^#)「ここも元は浅い湖だったんや。そこに排水路を造り50基もの風車を並べ水を抜いたんやで。400年前に風車を利用して造った最も古い干拓地なんや♬」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「土を盛った堤防の下が農地になってますね。堤防より5mも低いですよ!」
(#^.^#)「排水した湖を1年間乾燥させて畑に変えたんや。ベームステルは水はけが良いから野菜や果物を育てているんやで。とはいえ干拓地を保つには絶えず水路の泥をさらい水の通りを良くしなければならないんや(^^♪」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「ここには今、8700人が住んでいるんですよ!」
(#^.^#)「水車がつくったオランダの干拓地に広がったものは野菜や果物だけではないんや♬」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「畑を色とりどりに染めているのはチューリップですね。オランダの国の花にもなっているんですよ!」
(#^.^#)「16世紀に当時のオスマン帝国から持ち込まれ栽培されるようになったんや。交配が容易で不思議な色や模様を生み出すことから市民が熱狂してチューリップブームが巻き起こったんやで(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「ベームステルは野菜や果物にチューリップで色とりどりなのにキンデルダイクはちょっと地味ですね…」

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(#^.^#)「キンデルダイク干拓地は湿った泥炭地なんや。この辺りは雨が降るとぬかるんで牛でも歩けなくなるほどに様変わりするんやで♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「それだけ湿った土地ということなんですね!」

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(#^.^#)「せやから牧草を植え乳牛を飼育することにしたんや。この地では酪農が盛んなんやで」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「ここに住む人たちは水という自然を知り土地を活かしてきたのですね!」

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(#^.^#)「乳牛からは毎朝、新鮮なミルクを絞っているんや。そのミルクで作られるのがオランダ伝統のゴーダチーズやで。13世紀にまで遡れる伝統のチーズや(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「ゴーダチーズも風車があったから生まれたのですね!」
(#^.^#)「エダムチーズと並ぶオランダの代表的なチーズや。オランダでのチーズ生産量の60%を占めるんやで♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「ずっと不思議に思っていたのですが…風は気ままですよね。どうやって風向きを捉えているのですか?」

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(#^.^#)「キンデルダイクに残された19基の風車の一つ一つには風車守と呼ばれる番人がいるんや。300年の間、風車を見守り風車を回し続けてきた人々やで(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「朝一番の仕事は風が来るほうへ羽根を向けることみたいですね!」

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(#^.^#)「大きなウインチを踏み込むと4枚の羽根を取り付けた屋根が回転するんや。風車守の仕事の大部分が天気の予測なんやで♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「天気予報を見ればいいんじゃないですか?」
(#^.^#)「…(^^;新聞とかコンピューターから判断するのではなく実際に目で見て天気や風の動きを知ることが重要なんや♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「な、なかなか難しそうなお仕事ですね…」

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(#^.^#)「羽根の向きが決まると次に帆を張るんや。羽根は15mもあるんやで(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「帆は海洋国家だったオランダの帆船技術が活かされてますね!」

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(#^.^#)「帆の張り具合は風の強さで決まるんや。風の弱い日は羽根全体に帆を広げるんやで」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「かなりの体力勝負ですね。(#^.^#)さんにはこの仕事は無理ですよ、断言できます!」
(#^.^#)「…(^^;ほ、帆が風を捉えると風車が回り始めるんや。でも、風は気まぐれだから風向きが変わるとすぐに微調整しなければならないんやで♬」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「常に風を正面で捉える必要があるのですね!」
(#^.^#)「風車守は風車の番人だからこの風車で暮らしているんやで(^^♪」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「住み込みのお仕事だと遅刻の心配はなさそうですね。1階はリビングとキッチンになってますよ!」
(#^.^#)「家の真ん中を貫く巨大な装置こそがこの風車の中枢部や。屋根裏部屋の歯車が長い柱を回転させ風力を水車へと伝えているんやで♬」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「北海から吹く風と風車の力によってオランダは築かれたのですね!」
(#^.^#)「そして300年もの間その傍らには風を読み風を力に変える風車守がいたんやで。このオランダにおいては水との戦いに終わりはないんや(^^♪」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「オランダを造った風車は19世紀までは1万基も動いていたんですよ!」
(#^.^#)「そんな風車も今では1200基が残るだけなんや。もちろん水との戦いは今も続いているんやが、オランダの人々は風車に代わる武器を手に入れたんやで♬」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「それがこのアイセル湖の湖岸の町レマールにあるんですね!ここもすべて干拓地なんですよ!!」
(#^.^#)「町や畑を洪水から守っているのは湖と排水路の境に立つ赤レンガの建屋や」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「煙突が天高くそびえてますね!」

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(#^.^#)「この建物は20世紀に発明された現代の風車や。世界遺産にも登録されているヴァウダ蒸気ポンプ場やで(^^♪」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「風車に代わって石炭を燃やした蒸気で排水をしているのですね!」

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(#^.^#)「完成したのは1920年や。蒸気エンジンを4機並べて水揚げポンプを回していたんやで。動力は石炭から電気に変わったんやが、今でも現役なんやで♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「大雨が降ると湖へと水をかきだすのですね!」
(#^.^#)「もちろんキンデルダイクにも最新技術が導入されているんや。電力で動くポンプ場やで。水をかきあげる巨大スクリューで水位が調節されているんや(^^♪」

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꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「洪水を防ぐ新しい施設ですね!」
(#^.^#)「この巨大スクリューは風車の100倍もの水量を3.5mの高さにまで上げ排水できるんや。でも風車ももしもの時に備えて使えるよう残されているんやで。キンデルダイクの風車網は国土を自ら守ってきた人々の努力の結晶として世界遺産になったんや♬」
꒰⁎˃ᴗ˂⁎꒱「世界は神が創ったがオランダはオランダ人が造った…まさにその言葉のとおりですね!」

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