春夏秋冬の絶景!手つかずの自然が魅力的な知床

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「今日もやってきました!世界遺産の時間ですよ~!!」
(#^.^#)「今日は北海道の知床やで。北海道の端、オホーツク海に向かって突き出た細長い半島が知床半島や。長さは70kmもあるんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「手つかずの自然が魅力的ですね!」
(#^.^#)「この自然の魅力は四季による表情の変化といってもええやろう。最近、日本の四季はちょっと曖昧になりつつあるが…ここ知床では全然そんなことはないんや。生命が一斉に芽吹く春。水が迸り山々は霞み滝や湖に緑が映える夏。峰々が赤く色付く秋。雪と氷と流氷に支配される冬。たまらんなぁ…」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「今日はいつもにも増して語りますね!」
(#^.^#)「一推しは秋や!その次が冬!!春と夏はサラッと流す!!!まずは秋の知床を空から眺めてみるで~♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「はいっ!」

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(#^.^#)「知床半島の真ん中に連なるのが知床連山や(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「海と山がすごく近いですね!」

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(#^.^#)「そして半島の中央部、この連山の最高峰が羅臼岳や。標高は1661mやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「10月の半ば頃には山頂にうっすらと雪が降るんですね!さすが知床、早いです!!」

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(#^.^#)「初冠雪したけど裏側はゴツゴツとした岩場がむき出しになっているな…これは溶岩ドームやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「羅臼岳から見ると山々が一直線に続いてますね!」

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(#^.^#)「これらの山々を総称して知床連山と呼ぶんや。成り立ちは全て火山活動なんやで。大地の長い裂け目からマグマが吹き出し火山が列を成したんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「火山半島なんですね!」

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(#^.^#)「今でも生々しい噴火の爪痕があるんやで。それがこの硫黄山や(^^♪」
茜「片側だけがえぐり取られてますね!」
(#^.^#)「この硫黄山は4000年前の噴火で巨大な山崩れを起こしたと言われとるんや。それ以降も小さな噴火を何度も繰り返している活火山なんやで。ちなみに近隣の弟子屈町にも硫黄山があるんや。その山と区別するためにこっちは知床硫黄山と呼ばれることもあるんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ところで…どうしてここは知床と呼ばれているんですか?」
(#^.^#)「アイヌの人々はこの地を大地の突端、シリエトクと呼んだんや。それが知床の名の由来なんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「なるほど…上手に当て字してますね!」

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(#^.^#)「秋になると知床の山々は様々な木々が混ざったカラフルな装いになるんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「黄色く染まるのはダケカンバやミズナラですね!」
(#^.^#)「そこにカエデの赤がアクセントを添えるんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「こちらの湖は穏やかで湖面に色とりどりの樹木が映し出されてますよ!」
(#^.^#)「それは硫黄山のふもとにある知床五湖のひとつ、一湖やで。この湖は山頂が崩れたときにできたんや♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「刻一刻と変わりゆく秋ならではの光景ですね!」
(#^.^#)「寿命を終えた古木が倒れているな…根元からはもう若い木が生えとるで。孫生え(ひこばえ)やな(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「風情がありますね~!あそこにエゾシカがいますよ!!」
(#^.^#)「この時季、オスのエゾシカの角は立派に伸びるんや。その角でメスに魅力を振りまくんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「秋は繁殖期ですからね!頑張ってください!!」

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(#^.^#)「山から西の海岸線に出るとそこにはそそり立つ絶壁があるんや。この断崖は火山が生んだものやで。奥に見えるのは標高1500mを超える硫黄山や。そしてこの崖の周りは海が不思議な色になっている所があるんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「綺麗なミルク色になってますよ!どうしてですか?」

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(#^.^#)「絶壁から滝が流れ落ちているやろ?この滝、温泉なんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「山から湧き出す温泉が滝となってそのまま海に流れ込んでいるんですね!」

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(#^.^#)「温泉に含まれる硫黄の成分で海がミルク色になるんや。お湯の源は硫黄山の中腹やで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「秋が深まり冷え冷えとした渓谷に湯けむりが立ち上がっていますね!」

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(#^.^#)「源泉へと遡るとお湯が剥き出しになった溶岩の上を滑り落ちて行く様がよく分かるな♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「この岩…もしかしてさっきの海岸の断崖も、ですか?」

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(#^.^#)「せや。西海岸の断崖は40kmにわたり続いているんやが…すべて知床連山から噴き出し海まで達した溶岩なんやで。それを波や流氷が削り滝や絶壁が形作られていったんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「岩場から火山の噴気が上がってますよ!」

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(#^.^#)「地中でマグマが活動しいる証やな。ちなみに溶岩はゆっくり冷えると柱状に無数の亀裂が入るんや。せやから海を変色させる硫黄は波打ち際の岩からも染み出しているんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「この海岸は知床の激しい噴火を物語っているのですね!」

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(#^.^#)「森が色づくこの季節はヒグマが待ちわびた季節でもあるんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「サケの遡上のシーズンですね!」

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(#^.^#)「知床半島には山から流れ落ちる川が80本あまりあるんや。秋を迎えた河口でヒグマは狩りをするんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「秋の知床の風物詩ですね!」
(#^.^#)「狙う獲物はサケやマスや。北太平洋で数年を過ごしビッグになって故郷に帰ってきたやつらやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「最初に現れるアレ!カラフトマスですよね!!」
(#^.^#)「せやで。産卵するメスにアピールするためオスは赤みが増し背中が盛り上がるんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ヒグマは毎年この時を待ってますよね!」
(#^.^#)「十分な栄養を体に蓄えないと厳しい冬を乗り越えられないからな…旺盛な食欲を満たすのは今しかないんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ヒグマの親子は水辺のハンターですね!」

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(#^.^#)「ハンターの襲撃をかいくぐり川の上流まで辿り着けたものだけが子孫を残せるんや。そして産卵を終えると川のあちこちに力尽きた亡骸が横たわるんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「でも、こうした亡骸が土に返り森の栄養分になるんですよね!」

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(#^.^#)「せや。そしてサケの遡上がピークを過ぎる頃、知床には冬がやって来るんや。冬の幕開けを知らせるのはトドやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「冬は風景が一変しますね!山が白銀に変わってますよ!!」

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(#^.^#)「山だけやないで、川もや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「川が海に流れ込むところ、白い霧でモワモワしてますね!すごいです!!」

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(#^.^#)「マイナス20℃近い大気が海面近くの水蒸気を冷やし霧に変えるんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そんなに冷えたらバナナで釘が打てそうですね!」

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(#^.^#)「…(^^;この時季は山や川だけでなく海も変わるんや。それが1月の終わりに遥かシベリアから知床の海に流れてくる氷の群れやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「流氷ですね!」

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(#^.^#)「どの流氷も初めはわずか数cmの薄い氷なんや。それが重なり合い分厚くなっていくんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そして風と海流で運ばれてくるんですね!」
(#^.^#)「突き出した半島が流氷を受け止めるんや。ここまでたどり着くまでに流氷はオホーツク海を2ヶ月も漂うんやで。やがて知床の沿岸は流氷でびっしりと覆い尽くされるんや♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「わざわざ北の海からご苦労様です!」
(#^.^#)「半島の先端まで増え続けた流氷は知床岬を回り込み半島の東側へと流れ込んで行くんや(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「知床の周りは見渡す限り氷の原野に変わるのですね!」
(#^.^#)「この流氷と共にロシアから渡り越冬するのがオオワシなんや♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「氷で閉ざされた海は餌となる魚が豊富ですね!でも、どうしてこんなにも豊かな海になるのですか?」
(#^.^#)「豊かさの謎は流氷にあるんやで。沿岸の浅瀬にまで押し寄せてきた氷の厚さは1m以上あるんや。海中に潜ると分かるんやが…その表面は緑色なんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「これ、藻類ですね!」
(#^.^#)「流氷にはシベリアからの豊富な栄養素が閉じ込められているんや。せやから氷が溶け出すとプランクトンが大発生するんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「そうするとそれを食べる動物が集まってきますね!」
(#^.^#)「なかにはこんな可愛いヤツもおるで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「これ、クリオネですね!海の天使ですよ!!」
(#^.^#)「体長はわずか1cmや。こう見えてクリオネは巻貝の仲間なんやで。もちろんこんな小さくて可愛いヤツばかりじゃないで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「お、お化けがいますよ!凄くおっきいです!!」

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(#^.^#)「キタユウレイクラゲやで。触手を伸ばし毒針を放って魚を捕まえるんや。流氷から始まる食物連鎖…それが豊かな海を生むんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「流氷は生き物を育むゆりかごなんですね!」
(#^.^#)「この流氷が溶け消えてなくなると知床にも遅い春がやってくるんや♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「河口にヒグマの家族がいますね!」
(#^.^#)「冬眠から目覚めたばかりやろうな(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「子グマがエゾシカの群れを追いかけてますよ!可愛いですね!!」

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(#^.^#)「ああやってじゃれるように遊びながら狩りを学んでいくんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「知床岬も春めいてきましたね!」

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(#^.^#)「春の知床はこの平らな草原に注目や(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「一見すると人工的に見えますね…」
(#^.^#)「せやろ、せやろ~。でもこれ、自然が造ったものなんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「どうしてこんなに綺麗な草原になったのですか?」
(#^.^#)「ここは強い海風が吹くからな…樹木は育たんのや。見てのとおり一本の道もなくもちろん船からの上陸も禁止やで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「自然が手つかずのまま保たれているのですね!」

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(#^.^#)「さらに階段状に高くなった奥から緑の森が広がるんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「知床連山がそこから始まるんですね!」

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(#^.^#)「そして短い夏がやってくると知床の海は賑やかになるんやで。半島の東、羅臼の沖には近年シャチが集まることが知られているんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「10頭を超える集団がいますよ!胸熱ですね!!」
(#^.^#)「シャチは母親を中心に大家族で行動するんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「お腹を空に向けてますね!何をしているんでしょうね?」
(#^.^#)「珍しい行動なんやが…よく分かってないんや。シャチはまだ謎の多い哺乳類やからの♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「シャチのような大型の哺乳類がいるということは…知床の海は夏も豊かなんですか?」

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(#^.^#)「せや。冬は流氷が海を豊かにしていたが夏は森が海を豊かにするんやで。特に岸から近い海には森のミネラルがたっぷり注がれるんや。それを栄養分にうっそうと茂るのがコンブやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「コンブは豊かな海の主役なんですね!でも葉が穴だらけですよ!!」

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(#^.^#)「これはウニがコンブをかじった跡や。群がったウニは根元だけでなく長い葉の先まで上りコンブを食べるんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「あそこ…コンブを隠れ家にしている魚がいますよ!」

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(#^.^#)「スジアイナメやで。オスが卵を守っているんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「海藻の森は子育てにうってつけなんですね!」
(#^.^#)「幾度も繰り返される春夏秋冬。陸と海とが深くつながる生態系が評価され知床は世界遺産になったんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ここは森と流氷が命を育む小さな方舟ですね!」

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スマホ版ではサイドバーのリンクが表示されないので各記事へのリンクページ(五十音順)を作りました꒰◍ᐡᐤᐡ◍꒱

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絶景!大いなる青い山並み、グレーター・ブルーマウンテンズ地域

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「本日も楽しい世界遺産の時間がやってきましたよ~!」
(#^.^#)「今日はオーストラリアの東部、グレーター・ブルーマウンテンズ地域やで。シドニーから車で2時間ほどのところにある峡谷が切れ込んだ高原地帯や。その広さは東京都の5倍近くもあるんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「まるで大地が地平線まで続いているみたいですね!谷もすごく深いです!!」
(#^.^#)「岩山の標高は1000mを超えているんやで。アメリカのグランドキャニオンにも例えられる大峡谷や。中でもこのジャミソン・バレーは最大級のものやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「でこぼこした峡谷が幅10kmにも及んでいるんですね!すごいです!!」
(#^.^#)「その谷底からぬっとそそり立つ巨岩があるんやで。スリーシスターズや。このジャミソン・バレーの見所の一つやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「うっそうとした森を遮るような絶壁の上に塔のような岩が三つ佇んでいますね!」
(#^.^#)「先住民アボリジニの伝説では3人の美しい姉妹が魔法によって岩にされたんやで。長い年月、雨風によって洗われた高さ200mの岩や。表面はひび割れ赤茶けた地肌がむき出しになってるな♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「それでも風格を感じますね!」
(#^.^#)「その先は谷底や…三姉妹は薄くなった崖の突端に立っているんやで。それでな、ジャミソン・バレーにはもう一つ名所があるんや。それがこのナローネックや♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「絶壁が半島のように細長く伸びてますね!」
(#^.^#)「谷底から少しずつ斜面が急になり垂直な崖になるんや。3kmも続くナローネックが広大な谷を分断しているのがよく分かるでな♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「頂は平らになっているんですね…でも細いです!」

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(#^.^#)「幅は狭いところだとたったの60mしかないんや。このナローネックにも自然が絶妙な形に大地を削り出した芸術があるんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「あの一番上にある鼻みたいに突き出た岩ですか?」

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(#^.^#)「地元ではイノシシに見立てられた岩やで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「反対側から眺めるとイノシシは首をもたげていますね!カワイイです!!」

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(#^.^#)「繰り返しになるが、ナローネックは半島のように細長く伸び広大な谷を分断しているんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かに繰り返しですね!」
(#^.^#)「…(^^;このナローネックの特徴が不思議な現象を引き起こすんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どんな現象ですか?」
(#^.^#)「朝になるとこの谷は雲海に覆われるんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「綺麗ですね…まさに絶景ですよ!」
(#^.^#)「それだけ?」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「むむっ…よく見ると何かおかしいですね!雲が滝のように流れ落ちてますよ!!」
(#^.^#)「これはファントムフォールズ、幻の滝と呼ばれる現象や。谷が特に冷え込んだ朝の日の出直後に見られる現象なんやで。一年に数回しか見ることができないレアケースや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どうしてこんな不思議なことが起こるのですか?」

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(#^.^#)「崖のこちらは東側やからな…日が当たりもう雲海は消えているんや。でも、絶壁に阻まれた西側の雲海はすぐには消えへん。その西側に残った雲が絶壁を越えて零れ落ちてくるんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「絶妙な位置にある絶壁がファントムフォールズを作り出しているのですね!」
(#^.^#)「多くの顔を持つブルーマウンテンズやが…その誕生の秘密はこの絶壁にあるんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「どんな秘密ですか?」
(#^.^#)「崖を見るとそこには幾層にも縞状になった黄色い岩があるやろ?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「雨や風で浸食されボロボロですね!」

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(#^.^#)「これはもろく崩れやすい砂岩やで。砂岩は元々は砂粒なんや…それが堆積し岩になったんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「砂が堆積して長い年月をかけて固まり岩になるなんて…すごいですね!」

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(#^.^#)「今から約3億年前、この地域は古い大陸の河口だったんや。川が運んできた砂が少しずつ積もり厚さ1000mにもなる砂岩の層を生んだんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それが地殻変動で隆起し地上に現れたんですね!」

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(#^.^#)「この時、縦にひび割れが入ったんや。そこから雨水によって長い年月をかけて浸食され大峡谷になったんやで。谷底を流れる一本の川…これこそが大峡谷の生みの親ってことやな(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「雨水を集めた川は今も谷を削り少しずつ深くしているのですね!」

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(#^.^#)「ここまで見てきたグレーター・ブルーマウンテンズは緑豊かな大峡谷だったんやが…北部には大峡谷とは全く異なる荒々しい世界が秘められているんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「荒涼としてますね…」

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(#^.^#)「川沿いの斜面には奇妙な岩がむき出しになっているんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「黒い横筋が何本も入った岩が沢山ありますね!」

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(#^.^#)「見ようによってはキノコのような岩やな。所狭しと林立しているのも分かる気がするで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どうして北部ではこんなキノコ岩になったのですか?」
(#^.^#)「キノコ岩にも綺麗な横縞が入っとるやろ?これも砂岩なんや…隆起し浸食され今に至っとるんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「同じ砂岩からできた岩とはおもえないですね!」
(#^.^#)「南の砂岩には黒い筋がなかったやろ?それはな…鉄分を多く含む層なんや。鉄を含んだ砂岩は固いから浸食が10倍も緩やかに進むんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「それでこんなふうに丸みを帯びたのですね!」
(#^.^#)「注目すべきはお皿を何枚も積み重ねたような階段状の巨岩があることや。それは世界でここ、グレーター・ブルーマウンテンズだけの地形なんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かにこんなに沢山のキノコ岩は見たことがないです!でも、どうして砂岩の黒い筋に鉄分が集まったんですか?」
(#^.^#)「それは未だに解き明かされていないんや…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「研究者にも成り立ちが分からない謎のキノコ岩なんですね!」

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(#^.^#)「所変わって再び南の大峡谷や。同じ3億年という時を刻みながら随分と違う風景やな♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「こちらの谷は垂直にスパッと切り裂いたような崖になってますね!」
(#^.^#)「断崖の成り立ちは流れ落ちる滝と関わりがあるんやで。高原地帯に降った雨を集めて流れ落ちる滝は一年中枯れることがないんや(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「滝が谷底へまっすぐに落ちてますね!」
(#^.^#)「ここには数多くの滝があるんやが…その中でも最大級の高さを誇るのがウェントワースの滝や♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「高くてしかも二段になってますね!」

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(#^.^#)「落差は300mもあるんやで。枝分かれした水の流れが幾筋にもなって落下する様は芸術的やな。これもすべて絶壁の形がなす業なんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そしてこの激しい滝の流れが絶えず砂岩を削っているんですね!」

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(#^.^#)「それだけじゃないでぇ!この滝へ至る川は高原の岩盤を縫って流れる狭い川なんや!!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「大地が断ち切られ水がほとばしり出る…胸熱ですね!」
(#^.^#)「渓谷に沿って水の行方を追いかけるでぇ~!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「はいっ!」

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(#^.^#)「大量の水が岩の裂け目のような狭い谷を流れているな…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そ、想像以上に流れが…急ですね!」

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(#^.^#)「段差のある岩が次から次やで…飛び込んで乗り越えるでぇ~!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「今度は滝下りですよ~!楽しいですね!!」

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(#^.^#)「ここまでで分かったやろうが…水は脆い箇所から順に通り道を広げていくんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そ、そうですね!(ただ楽しんでただけなんて言えない…)」
(#^.^#)「この谷底には垂直の断崖が生まれる秘密があるんやで…崖の一番下を見てみ」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「川の岸辺が底だけ大きくえぐり取られていますね!」
(#^.^#)「断崖を作り出す要因はこの大きなくぼみなんや。滝から流れ出た水は谷底で速く強い川の流れとなって崖を浸食するんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「少しずつ崖の下に空洞ができますね!」
(#^.^#)「谷底の支えを失った岩盤は縦にひびが入り、それが徐々に広がって上部がスパッと崩れ落ちるんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「それで垂直な壁になるんですね!」
(#^.^#)「そんな崩落が何度も繰り返されて巨大な谷が生まれたんや。でも、その始まりはこんな一本の川なんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「絶壁が二段になってますね!ここでは大きな崖崩れが二回あったってことですよね!!」
(#^.^#)「せや。割れ目を縫った水は気の遠くなるような年月をかけて、今ワイらが目にする姿を形作ってきたんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「胸熱ですね!」
(#^.^#)「崩落をリアルタイムで見ることは流石に難しいんやが…1931年に起こった大崩落はその瞬間を捉えた貴重な写真が残っとるんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「こんな胸熱シャッターチャンスに巡り合えるなんて…うらやましいです!」
(#^.^#)「70階建てのビルに匹敵する岩盤が突如崩れ落ちたんやから…激アツやな!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「激アツ現場の今を見たいです!」

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(#^.^#)「ここがその現場や…まだ風化されずにそこだけが白い垂直な壁が残されているんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「切り口が鋭いですね!岩盤が断ち切られたことが一目瞭然ですよ!!」

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(#^.^#)「崖下にいくつも転がる岩の塊はかつての岩盤なんや。今は粉々やけどな…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「白い岩肌は元々の砂岩の色ですね!」

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(#^.^#)「90年の歳月は地球の歴史の中ではほんの1秒前の出来事に過ぎんからな。さて、今さらなんやが…ここはグレーター・ブルーマウンテンズや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「今さらすぎてビックリですよ!」

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(#^.^#)「…(^^;大いなる青い山並み、という名が付けられたのは何でなんやろうな?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「緑が豊か…だからですか?」

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(#^.^#)「緑豊かな山なんて他にいくらでもあるで。その名はグレーター・ブルーマウンテンズでしか見られない青があるからや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ホントですか!見たいです!!」

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(#^.^#)「日の出から1時間ぐらい経つと谷から谷へと渡っていた雲海が消え大峡谷は青く輝きだすんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どの山も青く包まれていきますね!すごく幻想的です!!」
(#^.^#)「この地域では太陽が昇り気温が高くなると広大な谷全体が青く彩られていくんやで。これこそがブルーマウンテンズという地名の由来と言われているんや♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「どうしてこんなに青く霞むのですか?」
(#^.^#)「それはな、この谷を覆う森にあるんや。見渡す限りユーカリの木が生えているやろ?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「オーストラリア原産の木ですね!」

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(#^.^#)「ユーカリは砂岩のやせた土壌に適応し一面に生い茂っているんや。この地域だけに生える固有種も12種あるんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それだけあったらコアラも飽きずにすみますね!」

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(#^.^#)「…(^^;青く霧がかかっているように見えるのはこのユーカリが関係しているんや。ユーカリの葉は乾燥から身を守るため表面がワックス状の油分に覆われているんやが…オーストラリアの強烈な日差しでその油分は気化し谷に充満しそれで青く霞んで見えるんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「数えきれないほどのユーカリの木々がこの峡谷を青く輝かせているのですね!」

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(#^.^#)「北と南でまったく違う変化に富んだ大地、大峡谷が形作られる中でともに進化を遂げたユーカリの森そしてここだけの青い山…それが評価されグレーター・ブルーマウンテンズ地域は世界遺産になったんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「砂粒が大地に変わり巨大な谷が生まれまた砂に…自然の循環ですね!」

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轟音とどろくアフリカ最大の瀑布!ヴィクトリアの滝

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「今日もやってきました!世界遺産の時間ですよ~!!」
(#^.^#)「今日はアフリカ南部、ザンビアジンバブエの国境に位置するヴィクトリアの滝やで。このヴィクトリアの滝はアフリカ最大の滝なんや(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ちょ…この滝、ものすごく大きくないですか?」
(#^.^#)「アフリカ最大の滝は伊達じゃないんやっ!と言ってみたところで大きさが分かるわけではないからの…まずは空からヴィクトリアの滝を見に行くで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「はいっ!」

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(#^.^#)「これはマイクロライトという軽飛行機や。これで空に飛び立つで~(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「乾いた大地に深い渓谷が刻まれてますね!」

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(#^.^#)「渓谷を遡っていくと…見えてきたで、ヴィクトリアの滝や!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「こんなに離れていても白い水煙が見えますね!」

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(#^.^#)「幅は1700m、水煙の高さは800mにもなる巨大な滝やで。現地の人々はモシ・オア・トゥニャ、轟音とどろく水煙と呼んどるんや。滝の全容が分かったところで接近してみるで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「はいっ!」

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(#^.^#)「今回はザンビア側の国立公園からヴィクトリアの滝に近づくで…ちなみにここではレインウェアが必須や」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「滝の音が聞こえますね!晴れているのに…雨が降っているみたいですよ!!」
(#^.^#)「もっと滝に近づくで~(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「すごいですね!まるで暴風雨みたいです!!しぶきがすごくて真っ白ですよ!!!何も見えません!!!!」
(#^.^#)「ちょ、ちょうど雨期が終わったばかりやからの。滝は爆発的に水しぶきを…噴き上げて辺り一面が…白くかすんどるんや!」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「い、いったん戻りませんか?」
(#^.^#)「せ、せやな…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「いや~、凄かったですね!」
(#^.^#)「さすがやな…アフリカ最大の滝は伊達じゃないわ。なにせ幅1700mの断崖を毎分50万トンもの水が落下しとるからの♬」

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茜「滝つぼを見てみたいです!」
(#^.^#)「おっしゃ!ヴィクトリアの滝つぼへ突入や。まずは急な崖を100m下って滝の下流の川に向かうで(^^♪」
茜「巨大な岩がゴロゴロしてますね!」
(#^.^#)「断崖から崩れ落ちた岩やで。ヴィクトリアの滝はここで1/20の川幅に一気に狭まり下流へと流れるんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「もしかして…このゴムボートで滝つぼに近づくんですか?」
(#^.^#)「せやで。それ以外に手段がないからの。行っくで~♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「し、しぶきがだんだん凄くなってきましたよ!」

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(#^.^#)「か、風も強いな…なかなかボートが…前へ進まん…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「で、でも…滝つぼまで…あと、5mくらいですよ!」
(#^.^#)「も、もう限界や…」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「あとちょっとだったんですけど…すごい強風でしたね!ボートが押し戻されてしまいましたよ!!」
(#^.^#)「ヴィクトリアの滝の落差は100mや。滝を落ちる水の速度は時速150kmにもなるんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「大量の水が落ちるときに空気を押し出し強い風が吹くんですね!」
(#^.^#)「せや。滝つぼでは風速20mもの強い風が吹くんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「その風が向かいの崖にぶつかって水煙を巻き上げるんですね!」

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(#^.^#)「高さ800mまで巻き上げるで。すごいでな…さすがモシ・オア・トゥニャや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「轟音とどろく水煙、ですね!」
(#^.^#)「悠々と流れるアフリカの大河、ザンベジ川やが…ヴィクトリアの滝を境目に幅の狭いジグザグの渓谷へと姿を変えるんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「大量の水は滝の下流でどうなっているんですか?」
(#^.^#)「おっしゃ!確かめに行くで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ラフティングで川下りですね!頑張りましょう!!」

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(#^.^#)「ちなみにザンベジ川のラフティングは世界一過激な激流下りといわれとるんやで。挑戦するときは要注意や!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「さあ、絶壁に挟まれた川へ漕ぎ出しましょう!」

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(#^.^#)「ホワイトウォーターラフティング、まさに白い激流が牙を剥き始めるで~♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「か、川の流れが…さ、更に激しくなっていきますよ!」
(#^.^#)「せ、1700mもあった川幅が…滝の下流では…わずか100mに狭まるんや。そ、それで激流が生まれるんや…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ボ、ボートがー!」

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(#^.^#)「ロ、ロープにしがみつくんやー!!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ようやく一安心ですね!それにしても…救助の仕方も過激でしたね!!」
(#^.^#)「落ち着くと風景をじっくり観察できるでな(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「むむっ…崖をよく見ると黒い岩があらわになってますね!」
(#^.^#)「これは溶岩が固まった硬い岩、玄武岩やで。渓谷全体に溶岩が厚く積み重なってるんや♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「その割れ目を激流が削り大地に深い谷を刻んでいったのですね!」
(#^.^#)「せや。長い時をかけ削られた壮大な渓谷なんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「水が造った美しい景観ですね!」

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(#^.^#)「今度は小型船に乗ってザンベジ川の上流を探検するで~♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「はいっ!」
(#^.^#)「おっ、何かおるで…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「カバの群れですよ…」

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(#^.^#)「カバは日中、川の中で過ごしているんやけどな…夜間は陸の上で草を食べているんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そうなんですか?水草を食べてると思ってました…」
(#^.^#)「向こうの岸辺にはゾウの群れがおるで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「生で見ると迫力がありますね!」
(#^.^#)「こうした動物の楽園を作ったのがアフリカ最大の滝、ヴィクトリアの滝やで。ザンベジ川の周りには広大な草原、サバンナが広がっとるんや♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「このサバンナを生み出したのがヴィクトリアの滝なんですか?」
(#^.^#)「うんにゃ、緯度的にはこの辺りにサバンナが広がるのは特に珍しいことではないんやで。雨季と乾季にはっきりと分かれる気候の下で草原のなかにまばらな立ち木が生えとるのがサバンナの特徴や。雨季には青々とした草原になるサバンナやが、乾季になると草や木々の葉は枯れてしまんやで(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「雨季と乾季でまったく違う表情になるんですね!アフリカゾウの群れがいますよ!!」
(#^.^#)「アフリカゾウは1日200キロも草を食べる大食漢なんや。この時季、彼らは草を求めてサバンナを歩き続けるんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ギャル曽根さんもびっくりですね!それからキリンもいますよ!!」

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(#^.^#)「キリンの主食はアカシヤの葉やで。わずかにしか残っとらんが、それも舌で絡め取っとるんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「あれ…シロサイですよね?」

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(#^.^#)「せやな…今では数の少なくなった貴重な動物やで。こうした草食動物にとって乾季は過酷な季節なんや…そんな中、滝の周りはどうなっているかな?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「むむっ…乾季にもかかわらず滝の周りは深い緑に包まれてますね!」

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(#^.^#)「まあ、この写真は6月下旬のものやからな…まだ豊かな緑に溢れているんやけど、乾季のピークの11月には滝の水量はもっと減るし緑も減少するんや。それでもここから緑がなくなることはないんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「すごいですね!じゃあ、そのジャングルに行ってみましょう!!」
(#^.^#)「そんなに急いで行かんでもジャングルは逃げんぞ…」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「あそこ…サルの群れがいますよ!」
(#^.^#)「サルじゃなくてヒヒやで…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「毛づくろいをしてますよ!可愛いですね!!」

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(#^.^#)「ヒヒの食べ物は木の実や葉っぱや。ヒヒ以外にも色んなサルの仲間がおるんやで。木の実を好むサルにとってここは大切な餌場なんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「滝の音が聞こえますね!」
(#^.^#)「見上げれば滝のしぶきも見えるで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「まさに熱帯のジャングルそのものですね!」

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(#^.^#)「滝のしぶきは年間降水量にすると32万ミリにも相当するんや。この大量のしぶきが滝のまわりに一年中、青々とした深い森を造り出すんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「あれ…シカみたいな動物がいますよ!」

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(#^.^#)「あれはブッシュバックや。乾季になるとここには様々な野生動物がやって来るんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ヴィクトリアの滝が乾いたサバンナの中に緑の楽園を造ったのですね!」

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(#^.^#)「水煙が高く舞い上がり続ける限りここからジャングルが消えることはないんや。そしてこの乾季にしかできないちょっと変わったツアーがあるんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どんなツアーですか?」
(#^.^#)「滝の手前には島がいくつも点在しとるんや。その中の一つ、リヴィングストン島に渡るツアーやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「行ってみたいです!」

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(#^.^#)「リヴィングストン島は滝の手前のこの辺りやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「か、かなり滝に近いですね!」
(#^.^#)「島には小さな窪みがあってな…ここなら流されないんやで♬」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ここ、滝の真上ですね!目もくらむ場所ですよ!!」
(#^.^#)「落ちたら滝つぼやで~。スリル満点やな!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ドッキドキの体験をするとお腹が空いてきました!」
(#^.^#)「心配せんでもこのツアーは食事付きや(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「テントで食事って開放感があっていいですね!」
(#^.^#)「島にはキッチンがあってシェフが本格的な料理を作ってくれるんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「チキンやビーフケバブが食べ放題!おいしいです!!」
(#^.^#)「ヴィクトリアの滝ならではのツアーを楽しんだらホテルでゆっくり休みたいやろ?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そうですね!」

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(#^.^#)「昔からヴィクトリアの滝の上流は高級リゾートとして知られているんや。ここはそのうちの一つ、ロイヤル・リヴィングストン・ホテルや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「最高級の五つ星クラシックホテルですね!」

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(#^.^#)「ヨーロッパ人として初めて滝を発見したイギリス人探検家の名前にちなんだホテルやで。客室はすべてコテージで広々としたリビングも寝室も古き良きイギリスの様式で統一されているんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「あれ、見てください…庭にシマウマがいますよ!」

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(#^.^#)「彼らは顔パスなんや。夕暮れ時にはザンベジ川に面したデッキがおすすめなんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「滝の水煙が目の前に見えますね!」
(#^.^#)「カクテルも頂けるんやで。おすすめはパッションフルーツカンパリで作るジンベースのブラッシングモナークや(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ザンベジ川に沈む夕日と真っ赤に染まったカクテル…サイコーに優雅なひとときですね!」
(#^.^#)「優雅なひとときを堪能したらヴィクトリアの滝に戻るで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「はいっ!」
(#^.^#)「これから向かうのは滝の上にあるキャタラクト島や(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「その島には何があるんですか?」
(#^.^#)「巨大な滝が誕生した秘密があるんや。この島は滝のすぐ脇にあるんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「その秘密、見つけましたよ!この亀裂ですね?」

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(#^.^#)「せや。今はまだ幅数メートルの割れ目なんやが…激しく流れ込む水の力でこの割れ目は年に5cm以上伸びているんや(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ということは…これが新たなヴィクトリアの滝になるんですね!」

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(#^.^#)「せやで。上空から見るとこの割れ目の長さは30mほどなんやが…数万年後にこの割れ目が9番目の滝になるんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それを踏まえて考えると…今の滝の前にも別のヴィクトリアの滝があったってことですよね?」
(#^.^#)「流石やな。最初のヴィクトリアの滝が誕生したのは今から25万年ほど前のことや。水の流れが岩の亀裂を削り滝ができたんやで。今の滝は8番目なんや(^^♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「滝の歴史を感じますね!」
(#^.^#)「数万年ごとに滝は後退し古い滝は渓谷として残されているんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「凄いですね!」
(#^.^#)「さて…今さらなんやが、ヴィクトリアの滝には膨大な水が流れているんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かに今さらですね!」

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(#^.^#)「…(^^;せやから水しぶきが太陽の光を反射させ滝にはいつも虹がかかっているんや♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「キレイな虹ですね!」
(#^.^#)「昼間に見える虹もキレイやが…ここでは夜も虹が見られるんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ホントですか!ぜひ見たいです!!」
(#^.^#)「夜の虹は月明りで生まれるんや。満月が空高く上がるころ滝の下に徐々に虹が現れるんやで♬」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「見えてきましたよ!」

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(#^.^#)「これがルナレインボーや。月の光が強い満月の前後三日間だけ現れる幻想的な虹なんやで(^^♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「不思議な虹ですね!」
(#^.^#)「今日もヴィクトリアの滝は轟音をとどろかせ天高く水煙を噴き上げとるんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「何万年も繰り返される壮大な地球の営みですね!」

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砂漠に立ち並ぶピラミッド!メロエ島の考古遺跡群

(⁎˃ᴗ˂⁎)「本日も楽しい世界遺産の時間がやってきましたよ~!」
(#^.^#)「今日はスーダンにあるメロエ島の考古遺跡群やで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「遂にきましたね…スーダン!」
(#^.^#)「おっ、詳しいんか?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「もちろんです!アフリカですね!!」
(#^.^#)「せやな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「以上です!」

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(#^.^#)「…(^^;スーダンはエジプトの南にある国やで。その首都がハルツームや…ナイル川のほとりに広がる町やな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「黒人の方が多いですね!」
(#^.^#)「スーダンアラビア語で黒い人という意味なんや。そこから北アフリカのアラブ人たちからみて南に住む黒人の居住地域を指すようになったんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「つまり昔から肌の黒い人々が暮らしていたんですね!」
(#^.^#)「そういうことやな。かつてこの地には彼らが作った黄金の王国があったんや。今は一面の砂漠やが、その頃は豊かな王国だったんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「目指すメロエ遺跡は砂漠の中にあるのですか?」

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(#^.^#)「せや。首都のハルツームからおよそ200kmといったところやな…町から出ると見渡す限りの砂漠やで。砂嵐だって起きるで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「く、暗いですね!これは危ないですよ!!」
(#^.^#)「砂嵐自体はそんなに珍しいものでもないから大丈夫やろう…3時間ほど走ると到着や。メロエのピラミッド群やで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「すごく沢山ありますね!ピラミッドだらけですよ!!」
(#^.^#)「砂漠に250ものピラミッドが立ち並んどるんやで♪作ったのはクシュと呼ばれる王国の人々や。クシュは紀元前8世紀から1000年以上も栄えた王国なんや。ここ、メロエはその首都やったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「エジプトのピラミッドより尖ってますね!」

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(#^.^#)「傾斜は約70°やな。高さは6mくらいのものから30mに及ぶものまであるで。高さが同じくらいのエジプトのピラミッドの場合は傾斜角が40~50°くらいやからメロエのピラミッドの方がかなり尖っとるな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「でも、ほとんど壊れてますね…地震でもあったんですか?」

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(#^.^#)「19世紀まではな、形が残っているピラミッドが多かったんや。でも、1834年にイタリアの探検家フェルリー二がピラミッドの上部を壊し中から黄金の宝物を発見したんや…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「こ、壊しちゃったんですか!」
(#^.^#)「当時は保護するという考え方があまりなかったのかもしれんな…。他にも黄金の宝物があると考えたフェルリー二は先端を次々と壊していったんや。そしてその目論見通り、ピラミッドからは目も眩むような大量の黄金が見つかったんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「フェルリー二さん、それは犯罪ですよ!」

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(#^.^#)「…(^^;これは壊される10年ほど前の版画に描かれたピラミッドや。ほぼ完全な形をしとるで。ところで…ここに来る前に砂嵐があったやろ?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ありましたね!あれにはビックリさせられました!!」
(#^.^#)「砂嵐はメロエのピラミッドにもダメージを与えとるんや。見てみ…表面がすごい削られとるやろ?砂が削ったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「自然の力はすごいですね!」

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(#^.^#)「ここ20年ほどでこんなに削られたんや。メロエのピラミッドはこの一帯で取れる砂岩を積み上げて作られとるからの。砂岩はもろい…毎日のように起こる砂嵐が舞い上げる砂粒に吹き付けられ、たやすく削られてしまうんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「これを保護するのは大変そうですね…。ところで…ピラミッドの前のH型の建物!あれはなんですか?」

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(#^.^#)「あれは礼拝堂やで。太陽が昇ると正面から朝日が当たるように建てられとるんや。朝日は死者の復活を意味するからの」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「つまりピラミッドはクシュ王国のお墓だったんですね!」

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(#^.^#)「せや。葬られたのは王や女王達やで。遺体はミイラにされピラミッドの下の部屋に安置されたんや。壁に彫られた浮き彫りは亡き王や女王のために人々が祈りを捧げ供養する様子なんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「だからピラミッドの内部に黄金の宝物を納めたんですね!」
(#^.^#)「せやせや。ちなみにメロエのピラミッドで見つかった黄金は今、ドイツのベルリン新博物館にあるんやで。これはメロエの黄金を展示している特別なコーナーや♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「こんなにたくさん!凄いですね!!」
(#^.^#)「一つのピラミッドから六十点もの金製品が見つかったんや♪その中の一つ、純金製の腕輪や。青い装飾はラピスラズリやで。高価な鉱石を使い手の込んだ細工が施されとるでな」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「分かりましたよ!これらの黄金がお墓であるピラミッドに入れられていたのは埋葬された人に死後の世界まで持って行ってもらうためだったんですね?」
(#^.^#)「流石やな♪その通りやで。展示はされてないけど黄金は他にもあるで。ここではピラミッドで見つかった金製品の修復を行っとるんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「すごく細かそうな作業ですね!」
(#^.^#)「装飾が繊細やから作業に顕微鏡は欠かせんで。それにしても見事な装飾品やな。細工が実に精密やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「尊敬しちゃいますね!この腕輪もすごいですよ!!でも、こんなに沢山の金はどこで取れたんですか?」

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(#^.^#)「メロエ郊外の砂漠地帯やで。金属探知機で見つけるんや…数値が80以上なら金やで。探知機が反応した場所を手作業で掘っていくんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「これは大変な作業ですね!」

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(#^.^#)「この石の中に金が含まれとるんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「山ほど取れてますね!まるでゴールドラッシュですよ!!」

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(#^.^#)「金を取り出すのも手作業なんやで。あんなに沢山の石の中から取れる金はごく僅かや。それでもメロエは金の一大産地だったんや…2000年以上前からな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「豊富な金が砂漠の王国クシュを生んだんですね!」

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(#^.^#)「そしてその金がピラミッドというピラミッドにぎっしり詰まっていたんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「胸熱ですねっ!」
(#^.^#)「ピラミッドがあるのはメロエだけじゃあないで。メロエからナイル川を下った所にあるこのゲベル・バルカルにもあるんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「なんでこんな所にピラミッドを作ったのですか?」
(#^.^#)「この一帯はな、クシュ王国の最初の都だったんや。このゲベル・バルカルとナパタ地方の遺跡群も世界遺産なんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「このピラミッドもクシュの王様たちのお墓なんですか?」
(#^.^#)「せやで。この当時のクシュの人々にとってエジプトは憧れの国だったんや。エジプトと言えばピラミッドやからな。だからピラミッドを作ったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「外見を似せて憧れの人に近づく…基本ですね!」

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(#^.^#)「ピラミッドは見た目だけでなく墓の中もエジプトそっくりなんやで。それが地下にあるこれや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「古代の壁画が壁を埋め尽くしていますね!確かにこれもそっくりです!!」
(#^.^#)「赤外線を使い特殊な撮影をするとな、古代の色の秘密が浮かび上がってくるんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「なんだか光っているように見えますね!」

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(#^.^#)「薄くなっているから分かりにくいが、元々手と足が特殊な青で塗られていたんや。これはエジプシャンブルーという青で古代エジプト人が紀元前2000年ごろから作り始めていたんやで。銅やカルシウム、ケイ素などで人工的に作った特殊な青色や」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それが赤外線に反応して光っているのですね!」

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(#^.^#)「それだけやないで。すぐに気づいたようやが、この壁画は古代エジプト伝統の絵柄や。壁には死者を蘇らせる復活の儀式が描かれているんやで。もちろん、ここには棺が置かれていたんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「クシュのお墓は何もかもエジプトそっくりなんですね!」

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(#^.^#)「元々、ゲベル・バルカルは古代エジプト人の聖地だったんや。エジプトの王がここを聖地にしたのはあの岩山の端に立つ尖った岩がここにあったからや。あの岩、コブラのように見えるやろ?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ど、どうでしょうか?見えなくもないですかね…」

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(#^.^#)「まぁ、正直に言うと微妙な気がするんやが…あの岩がコブラに見えたそうなんや。彼らはあの岩を神と崇めたんやで。コブラはエジプト王の守護神やったからの…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そう言えばツタンカーメンのマスクにもコブラが付いてますね!」

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(#^.^#)「せやな。その影響を受けて周辺に住むクシュの人々もコブラを神と考えるようになったんや。コブラの岩の真下にはクシュの王が作った神殿があるんやで。ここにもコブラの岩とゲベル・バルカルが描かれているんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「クシュの人々はお墓から神様までエジプトの文化をそっくり模倣したんですね!」

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(#^.^#)「せやせや。ゲベル・バルカルについてはもっと語りたいとこなんやが、今日の主役はメロエやからな…割愛するで。ここまででどうや?メロエは…魅力たっぷりやろ?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「素敵な所ですね!機会があれば行ってみたいです!!」

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(#^.^#)「そんな(⁎˃ᴗ˂⁎)にはラクダがおすすめやで。メロエ観光を楽しむにはコレが一番なんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「砂漠と言えばラクダですね!」
(#^.^#)「でも立ち上がる時は揺れるからな…要注意やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「お、思っていたより高いですね!」

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(#^.^#)「目線の高さは3mほどになるで。コレなら暑くて歩きにくい砂漠でも楽に観光できるんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ピラミッドが見えてきましたよ!綺麗ですね!!」
(#^.^#)「メロエを満喫してここに泊まっていくなら…このテントホテルがおすすめやで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「砂漠にピッタリなホテルですね!」
(#^.^#)「このテントが客室や…ちゃんと電気も通っているんやで。ピラミッドが赤く染まったら優雅なディナータイムや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「砂漠とは思えないほどに充実してますね!すごいメニューです!!」

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(#^.^#)「ビールもあるで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「もちろんイスラムの国なのでノンアルコールですよ!」

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(#^.^#)「ホテルから遺跡へ…話を戻すで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「はいっ!」
(#^.^#)「メロエの繁栄を支えたのは何か…覚えとるか?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「金ですね!」
(#^.^#)「せやな。でもそれだけじゃあないんや。その痕跡は今も残っているで…これや♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「真っ黒な石が無数に散らばっていますね!この丘はなんですか?」
(#^.^#)「その黒い石は溶けて固まった鉄くずや。この丘はここにクシュの人々が鉄くずを捨て続けてできた丘なんやで。今から約2000年前、ここに一大製鉄所があったんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「この周辺では豊富な鉄鉱石が取れたんですね!」
(#^.^#)「せや。こうした溶鉱炉で鉄を作っていたんや。メロエは鉄の都でもあったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「鉄の道具もたくさん出土していますね!」

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(#^.^#)「鉄はクシュの重要な輸出品でもあったんや。まず、鉄製品は陸路で紅海へ運ばれたんやで。そこから古代ギリシャやローマとも交易し、クシュ王国は莫大な富を蓄えたんや。そしてこれはクシュの人々にある変化をもたらしたんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それがこの神殿ですか?ピラミッド以外にもこんなおっきい神殿があるんですね!」

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(#^.^#)「せやせや。注目すべきは壁の浮き彫りやで。描かれているのは神様や。その中にライオンの頭を持つ不思議な神様がおるやろ?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それが不思議なんですか?コブラの神様がいるならライオンの神様がいてもいいんじゃないですか?」
(#^.^#)「大事なのはその順番や。エジプトの神々の前にライオンの神様がおるやろ?」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かにそうですね!誰かに挨拶しているように見えます!!」
(#^.^#)「これはな、エジプトの神々を従えライオンの神が先頭でクシュの王と挨拶を交わしている…ってことを表現しとるんや。コブラではなくライオンがクシュの王の守護神になったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「でもそんなことしたらエジプトから目をつけられませんか?」
(#^.^#)「それはあるやろうな。でも当時のクシュは強力な国家でもあっんやで。それを物語るのがこれ…豊かな鉄が生んだゾウの神殿や♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ゾウの彫刻がありますね!なかなか可愛いです♪」
(#^.^#)「このゾウの彫刻もエジプトにはないクシュ独自のものだったんやで。ゾウはクシュの戦車でもあったんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ゾウの戦車ですか…それは怖そうですね!」
(#^.^#)「ゾウだけにゾウっとするでな♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「でも、ここは砂漠の真ん中ですよ!こんな所にゾウやライオンがいるんですか?」

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(#^.^#)「…(^^;と、当時、この一帯はサバンナでな…ゾウもライオンも沢山いたと考えられているんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そうだったんですか!ちょっとビックリです!!」
(#^.^#)「かつてエジプトに憧れその影響を大きく受けていたクシュはやがてその影響を脱し独自の文化に目覚め育んでいったんや。クシュ王国の都がメロエに移されたのは紀元前6世紀頃、その最盛期は紀元前3世紀頃やと言われとる。その繁栄は4世紀まで続いたんや。クシュ王国がメロエに遷都して以降をメロエ王国と呼ぶこともあるで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「エジプトよりはるかに多いピラミッドに巨大な神殿、すごいですね!」

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スマホ版ではサイドバーのリンクが表示されないので各記事へのリンクページ(五十音順)を作りました(#^^#)

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狭いところでは幅70m!断崖の上の細長い町、歴史的城塞都市クエンカ

(⁎˃ᴗ˂⁎)「今日もやってきました!世界遺産の時間ですよ~!!」
(#^.^#)「今日はスペインにある歴史的城塞都市クエンカやで。ここはスペインの空中都市なんや♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「空中都市!響きがカッコいいですね!!で、どこにあるんですか?」
(#^.^#)「クエンカはスペイン中部、乾いた大地が広がるラマンチャ地方にあるんや。断崖の上の細長い町がクエンカやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「町の細さにびっくりですね!」

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(#^.^#)「こちら側の崖を超えるとすぐに崖やで。町の幅は一番狭いところでわずか70mほどしかないんや。せやから断崖ギリギリまで家が立ち並んでいるのがクエンカの特徴やな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「両側を渓谷で挟まれていますね!」

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(#^.^#)「フカル川とウエカル川や。水がほとんど流れていないのがウエカル川やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「二本の川に挟まれた崖の上に築かれたのがクエンカなんですね!」

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(#^.^#)「下流に向かうにつれ崖は低くなりここで二本の川が合流するんや。ここまでがクエンカの旧市街やで。全長はおよそ1kmといったところやな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それにしても…見れば見るほど奇妙な場所に築かれた町ですね!」

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(#^.^#)「確かに…二つの渓谷に挟まれた細長い断崖やからな。この町の、いやこの地形の秘密は川の上流にあるで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それなら上流まで走りましょう!」
(#^.^#)「走るよりは飛んだほうがええで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「むむっ…確かにそうですね!」

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(#^.^#)「崖の上のクエンカを後にすると緑の谷を蛇行しながらフカル川が流れていくんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「エメラルド色に輝いていますね!」
(#^.^#)「この渓谷を流れるエメラルド色のフカル川を上流へしばらく行くとな、見えてきたで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「クエンカとよく似た細長い崖がありますね!」
(#^.^#)「こんな大渓谷もあるで。深いところは100mもえぐれとるんや。さらに上流に行くとな、不思議な岩の群れが現れるんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「すごいですね!立っているのが奇跡に思えるようなユニークな形をしていますよ!!」
(#^.^#)「高さは11mもあるんやで。他にも大きな穴が開いた岩があるで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「不思議な岩がたくさんありますね!」
(#^.^#)「これらの奇岩に空中都市の成り立ちを解くカギがあるんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「奇岩といえば…石灰岩ですね!」
(#^.^#)「せや。ここにあるのは雨に溶けやすい石灰岩なんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「長い間、雨水に侵食されこんな奇岩ができたんですね!」

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(#^.^#)「ただ単に奇岩ができたわけじゃあないんやで。縦に入った亀裂に雨が染み込み続けこんな形になったんや。もちろんクエンカの崖も石灰岩でできてるから、よく見ると何本もの縦の筋が入っとるでな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ここでも雨が縦方向に侵食したんですね!」

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(#^.^#)「侵食されずに残った部分を今度は川が両側から削ったんや。こうして生まれた石灰岩の地形に空中都市は築かれたんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「外から眺めてばかりというのもつまらないです!中に入りましょう!!」

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(#^.^#)「旧市街へはこのサンパブロ橋を渡っていくのがイチバンやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「高いですね!景色、サイコーです!!」
(#^.^#)「かつては石造りの橋だったんやけどな…1895年に壊れてしまって今は鉄の橋になっとるんやで。水面からの高さはおよそ60mや。高所恐怖症の人にはちょっと大変かもしれんな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「わたしは平気ですよ!」

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(#^.^#)「橋を渡っても建物はずっと上にあるんや。崖の上は平らではなく起伏が多い地形やからの。崖の縁から街の中心部へ行くにはあちこち階段を登らんと行けれんで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「これはいい運動になりそうですね!」

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(#^.^#)「やっと着いたで。ここが街の中心の広場や」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「カラフルな建物が並んでますね!」

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(#^.^#)「来るときに気がついたと思うが…クエンカでは切り立った断崖の縁、スレッスレに家が並んどるんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かにギリギリでしたね!あれ以上は無理ですよ!!」
(#^.^#)「それがそうでもないんや。スレッスレどころか崖の淵から飛び出しているような建物もあるで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ちょっとー!これはヤバくないですか!!」
(#^.^#)「これは宙吊りの家と呼ばれているんや。下から見上げるとこんな感じやで。崖から飛び出して建物全体が宙に浮いているように見えるでな♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「バルコニーが完全に崖からせり出してますよ!人生は安全運転でお願いします!!」
(#^.^#)「町側にある入り口から中へ入ることができるで~♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「流石にこんな所に人は住んでいないですよね…」

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(#^.^#)「今は美術館になっとるが昔は住宅として使われていたんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「なっ!昔は勇者がいたんですね!!」

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(#^.^#)「ここがあのバルコニーや。眺めは最高やけど下を見ると1階なのにこの高さやで。ヤバいな♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「宙に浮いているみたいですね!」
(#^.^#)「今さら言うまでもないが…クエンカが築かれたのは細長い断崖の上や。せやから二つの渓谷に挟まれた崖をめいっぱい使って町は作られとる」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かに今さらですね!」

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(#^.^#)「…(^^;それでも住む家が足りんのんや。そこでやな…10階建て以上の高層ビルをひしめき合うように建てたんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「えっ?えぇぇぇーーー???」
(#^.^#)「こうしたビルの多くは500年ほど前に建てられたんやで。限られた土地を最大限に活用するためにはこれがイチバンなんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それは分かりましたが…どうやってそんな高層ビルを建てたんですか?」

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(#^.^#)「この高層ビル群はな、町の外から見るとその多くが10階建て以上なんや。せやけど同じ建物を町の中から見るとなぜか6階建になるんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「うん?どういうことですか?」
(#^.^#)「町側にある玄関からお邪魔すると分かるで。ここはアパートなんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「なかなか素敵なお家ですね!」
(#^.^#)「リビングの奥にはバルコニーがあるんや。1階やけどここも地面は10mも下なんやで。町の外から見るとちょっと引っ込んだ建物が今の家や」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「つまり6階建てに見えるけど実はこの崖の中にも部屋があるってことですか?」
(#^.^#)「せやで。そんなわけで1階のリビングから地下へ下りるで。この階段は崖をくりぬいて作られたものや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「寝室が崖の中にあるんですね!」
(#^.^#)「石灰岩がむき出しやでな♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「とってもユニークな町なのは分かりましたが…そもそもなんでこんな所に町を作ったんですか?」

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(#^.^#)「クエンカの始まりは断崖の付け根に今も残るこの石造りの門を見れば分かるで。これはかつてこの町が要塞だった時代の名残や。建設したのは8世紀にスペインを征服したイスラムの人々と言われとるんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「攻められにくい崖の地形を要塞として利用したのですね!」

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(#^.^#)「その後、1177年にカスティーリャ王国のアルフォンソ8世がイスラムからクエンカを奪還したんや。それから街の中心にはクエンカ大聖堂が建てられたんやで。建設が始まったのは12世紀の終り頃や。スペインで最も古いゴシック様式の聖堂の一つやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「綺麗ですねぇ…まさに芸術ですよ!」

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(#^.^#)「やがてクエンカはスペインカトリックの重要な拠点となったんや。クエンカには大聖堂以外にもいくつかの聖堂や修道院が建てられとるで。キリスト教徒の町として発展したクエンカは16世紀にはおよそ15,000人が暮らす大都市になったんや。あの高層ビル群が誕生したのもこの頃やな。もちろんそれだけでは足りんから崖の下の低地の市街地なども整備されていったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「この町の成り立ちについてはよく分かりました!でも、重要なことを忘れてませんか?」
(#^.^#)「なにがや?」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「水ですよ、水!生きていくのに水は絶対に必要ですよ!!」
(#^.^#)「ええところに気がついたな!流石やで。確かにこんな細長い崖の上に水源なんかないで。にもかかわらず町にはいたるところに水場があるんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「生命の水ですね!」
(#^.^#)「今は水道が完備してるけどな、昔はここまで水路で運んできたんやで。その名残は今も残っとるんや…それは聖堂の一角にもあるで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「この扉の中に水路があるんですか?」

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(#^.^#)「せや。500年ほど前の水路やで。かつてこの水路で町中に水を送っていたんや。もちろん水路は町の外にも続いとるで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それが崖に掘られたこの水路ですね!随分と狭いですね!!」

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(#^.^#)「ちょうど人一人が通れるほどの幅しかないからの…幅30cmといったところやな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「まさに絶壁の水路ですね!」
(#^.^#)「この崖に掘られた水路は12km先の水源から町まで続いているんやで。絶壁に刻まれた水路はもちろん手彫りや。水を流れやすくするために少しずつ傾斜を付けてあるんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「崖に沿ってどこまでも続いてますね!」
(#^.^#)「深い谷は橋を作って超えたんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「頑丈そうな石造りの水道橋ですね!」

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(#^.^#)「こうしてはるばる12kmも先から水を引き崖の上のクエンカを潤したんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「すごいですね!」
(#^.^#)「断崖に築かれたユニークな町の姿が認められクエンカは世界遺産になったんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「人と地形が溶け合うように暮らす世界でここだけの空中都市ですよ!」

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takanasuougi.hatenablog.jp

1万年前から上昇し続ける大地!ハイコーストとクヴァルケン群島

(⁎˃ᴗ˂⁎)「本日も楽しい世界遺産の時間がやってきましたよ~!」
(#^.^#)「今日は北欧スウェーデンフィンランドにある世界遺産、ハイコーストとクヴァルケン群島やで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「北欧ってことは…分かりましたよ!氷河とかフィヨルドとかですね!!」
(#^.^#)「微妙に外れやな…氷河が関わっているのは間違いないんやが、ここは1万年前から大地が上昇し続けている世界でも珍しい場所なんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ホントですか!で…どこにあるんですか?」

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(#^.^#)「…(^^;ボスニア湾を挟んでスウェーデンフィンランドの向かい合うエリアが世界遺産なんやで。まずはフィンランドクヴァルケン群島からやな…ここは5600もの島々からなる群島なんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「とてもユニークな景観ですね!細長い線のような島が沢山ありますよ!!」

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(#^.^#)「島が規則正しく平行に並ぶ様はまるで洗濯板みたいやな。島の幅は10mほどでわずかに海から陸地が出ている程度なんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「石がゴロゴロと転がっていますね!」

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(#^.^#)「島があるのは海底がくっきり見えるような浅瀬やで。ここでは毎年9ミリずつ土地が上昇しているんや。30年前の写真と見比べてみると一目瞭然やで♪島の周りの海は消え明らかに土地が広がっているやろ?」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ホントに海が消えて生まれたんですね!すごく奇妙な島ですね!!」

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(#^.^#)「大地の上昇によりクヴァルケン群島では毎年1㎢も土地が増えているんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「1㎢って言われてもよく分かりません!」
(#^.^#)「…(^^;大雑把に東京ディズニーランド、二つぶんの土地が増えているんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「東京ディズニーランドが二つになるなんて、すごく夢がありますね!」
(#^.^#)「それは置いといてやな…こんな場所もあるんやで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「細長い湖がいくつも連なってますね!」
(#^.^#)「大地が上昇し島と島の間の海が閉ざされ湖になったんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どうやってこんな地形が生まれたのですか?」

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(#^.^#)「かつてここには氷河があったんや。氷河は単にゆっくり流れているわけではないんやで。海底で土砂を押しながら細長い丘を作っていったんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そういうのが繰り返され、いくつもの丘ができたってことですか?」
(#^.^#)「せや。その後、大地が上昇しこの地形が海面上に現れ細長い島になったんや。こういった大地の上昇はクヴァルケン群島だけで起こっていることやないんや…ボスニア湾を挟んで向かい合うフィンランドスウェーデン、両国で起きているんやで。次はスウェーデンのハイコーストや!」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「入り組んだ海岸線と島が点在する景色がいい場所ですね!」
(#^.^#)「このハイコーストはクヴァルケン群島から対岸に75kmほどいったところにある景勝地や。ここも1万年の間に海岸線が高くなっているんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「山を覆う森の中にぽっかりと空いた空間がありますね!」

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(#^.^#)「それはかつての海岸線や。ここも大地が200m以上、上昇しているんやで。こういった海岸線の跡は山のあちこちにあるんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「地面を無数の石が埋め尽くしていますね!どれもこれも角が取れた丸い形ですよ!!」

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(#^.^#)「海岸にあった石は波に削られ長い年月で丸くなるんや。びっしりと石があるから木も生えんで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「土地が上昇するからハイコースト、高い海岸線っていう地名になったんですね!」

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(#^.^#)「せやで。ハイコーストは1万年ほど前、ほとんどが海の中やったんや。それが徐々に上昇してな…300mほど高くなったんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ってことはここでもディズニーランド級の土地ができつつあるんですね!」
(#^.^#)「クヴァルケン群島ほどではないんやが、ハイコーストでも新たな土地が毎年0.7㎢ずつ増えているんやで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「じゃあ入江のあるこの場所もその昔は入江と湖がもっと大きく広がっていて家もまばらだったんですか?」
(#^.^#)「せやせや。100年とちょっとの間に大地が上昇し、水が引いて土地が広がったんやで。そして畑や住宅が増えたんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ところで…どうしてこの二つの国で土地が上昇し続けているんですか?」
(#^.^#)「それはな…氷河の影響によるものなんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「やはりそうきましたか!」

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(#^.^#)「…(^^;かつて分厚い氷河が北欧全体を覆っていたんや。世界遺産になっているハイコーストとクヴァルケン群島はその中心地と言ってもええやろな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そんなに分厚かったんですか?」
(#^.^#)「厚さは最大で3000mぐらいあったと考えられているんや。1㎡あたり2700トンもの氷の重さが大地にかかっていたんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「2700トンって!小錦さんもびっくりですね!!」
(#^.^#)「この氷河期は11万年前から始まっているんや。ハイコーストとクヴァルケン群島の大地は巨大氷河の重みで800mも沈んだんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「それから暖かくなって氷河が溶け始め、重みから解放された大地は上昇を始めたのですね!」
(#^.^#)「せや。これを大地のリバウンドっていうんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「1万年もリバウンドし続けるなんて…すごいですね!」
(#^.^#)「この入り江の奥にある丸く美しい湖も元々は入江とつながっていたんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「大地が上昇し間にあった小高い土地が水をせき止め湖ができたのですね!」
(#^.^#)「こうしたリバウンドは湖だけでなく山も作ったんやで。それがこのスキューレ山や。標高は296mやな」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「切り立った崖のような山ですね!」
(#^.^#)「かつて森より下は海の中だったんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「山頂からの眺めがすごいですね!この見下ろす景色すべてが海の底だったなんて…」

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(#^.^#)「山頂付近に昔の海岸線の位置があるで。ここの標高は286mや。1万年ほど前の海岸線はここだったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「これが昔の海岸線だったなんてすぐには信じられないですね!」
(#^.^#)「せやな。昔は海の中だった岩肌に木がほとんど無く、山頂にだけちょこんと森があるのもこの山の特徴やな♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「そういえばそうですね!それにこの森、小さいけれど深い森ですよ!!」
(#^.^#)「それはな、大きな木が根を張るのに十分な土壌が岩山の山頂にあるからやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どうして山頂にだけあるんですか?」

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(#^.^#)「1万年ほど前、ここは氷河の末端で山頂は海面から10mほどしか出ていなかったんや。その小さな島の上に氷河が運んだ土砂が積もっていったんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そして氷河期が終わり大地が上昇する間に山頂には木が生え森ができたのですね!」

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(#^.^#)「山頂を森が覆うことからスキューレ山は帽子をかぶった丘とも呼ばれているんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「可愛い名前ですね!」
(#^.^#)「もちろんハイコーストの島々にはここがかつて巨大な氷河に覆われていた跡も残っているんやで。それがこれや♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「なだらかな岩に無数の線がついてますね!」
(#^.^#)「それは氷河が流れながら岩を削った後や。巨大な氷河がいかに重いのかは今も広大な氷河が残るアラスカを見るとよく分かるな」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「氷河って大量の雪が降り積もり自らの重みで押しつぶされて氷になったんですよね!」
(#^.^#)「せやで。それが低い場所へとゆっくり流れていくんや。やがて氷河は海へとたどり着くんやが、その途中でこんなモノを残すこともあるで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「おっきい岩ですね!」
(#^.^#)「氷河の上に落ちた岩が流れに乗って運ばれここに取り残されたんや。この岩のように氷河が運んだ石や岩を迷子石って言うんやで。なかでもこれはスウェーデン最大の迷子石や。高さは15m、重さは25,000トンもあるんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「こんな巨大な岩が運ばれるなんて…すごいですね!」
(#^.^#)「ハイコーストにはさらに不思議な場所があるんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「海沿いの岩山に巨大な割れ目が走ってますね!」

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(#^.^#)「高さは40m、こんな割れ目が200mにわたって続いているんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「走りがいがある割れ目ですね!」

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(#^.^#)「…(^^;この山は花崗岩でできているんや。地下深くでマグマがゆっくりと冷えて固まるときにな、まっすぐなヒビが入るんやで。その後の氷河期と大地の上昇によって割れ目が広がったんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「氷河とリバウンドの共同作業ですね!」

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(#^.^#)「もちろん大地の上昇は人々の生活にも影響を与えているんやで。ここはハイコーストの中で最も美しいと言われるトリースンダ島や♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「入江に家が立ち並んでますね!なんだかゆっくりとした時間が流れているみたいです…」

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(#^.^#)「島の人々は船を使うんや。せやから海沿いに家を建てるんやが、300年ほど前はここが海岸線だったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「随分と移動してますね!」
(#^.^#)「現在の海岸からは40mほど離れているで。あそこに並んでいるのは昔の家や」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「土地が上昇して海岸線が離れていくから、その度に新しい家を海沿いに立てているんですね!」
(#^.^#)「影響を受けるのは今を生きる人間だけやないで。昔のご先祖様もや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どういうことですか?」
(#^.^#)「かつては海沿いにあったものの今は内陸にある古代の遺跡があるんや。それが世界遺産にもなっとるサンマルラハデンマキやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「何かの呪文ですか?」
(#^.^#)「い・せ・き・の・な・ま・え!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「森の中にありますね!」
(#^.^#)「この遺跡はな、現在の海岸線から15kmも内陸にあるんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「古代人がここに住んでいたんですね!胸熱ですね!!」

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(#^.^#)「約3000年前と考えられているんやで。ここには青銅器時代の墓地遺跡が30以上もあるんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「当時の人々は海沿いに住み石を積み上げて塚を作っていたのですね!」(#^.^#)「せやな。海の近くに死者を埋葬したんや。青銅器時代から土地は30m近く高くなり今は森に囲まれているんやけどな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「かつてここが海の近くだったなんて…俄には信じられないですね!」
(#^.^#)「十分に時が流れればここのように森になるんやが…もちろんその前には入江が湖になり湖がやがて湿地になる…という段階を踏むんやで」 

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「自然って本当にすごいですね!」
(#^.^#)「海が湿地になったことでここには特有の植物が生えているんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それがこの花ですか?可愛いですね!」
(#^.^#)「ここに咲いているのはランの花やで。このランは養分として石灰分を必要とするんや。この湿地には貝殻があるから石灰分が豊富なんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「海だった頃に豊富な貝が繁殖していたんですね!」
(#^.^#)「せや。湿地になって貝殻の石灰分が溶け出しランに適した土壌になったんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ここはハイキングにぴったりですね!」

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(#^.^#)「ハイコーストは今後1万年でさらに50mも上昇すると考えられているんや。こことクヴァルケン群島は地球の歴史を表す貴重な場所として世界遺産になったんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「美しい海岸線は地球の歴史なんですね!」

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幻想的な滝雲と太古の昔から続いている照葉樹の森!ガラホナイ国立公園

(⁎˃ᴗ˂⁎)「今日もやってきました!世界遺産の時間ですよ~!!」
(#^.^#)「今日はスペイン領カナリア諸島にあるガラホナイ国立公園やで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「カナリア諸島って大西洋に浮かぶ島々ですよね?あれってスペイン領だったんですか?」
(#^.^#)「せやで。15世紀の末に後のスペイン王国の中核となったカスティーリャ王国が征服しとるんや。アフリカ大陸の北西に7つの島が並んどる諸島やな。ガラホナイ国立公園があるのはカナリア諸島ラ・ゴメラ島やで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「怪獣がいそうな名前ですね!」
(#^.^#)「…(^^;ラ・ゴメラ島は直径22kmほどの丸い島なんやで。海辺の平均気温は20℃くらいで温暖やな…島には21000人ぐらいが暮らしとるで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「海岸線に断崖が続いてますね!これは事件の現場になりますよ!!」
(#^.^#)「…(^^;ラ・ゴメラ島は溶岩でできた火山島なんや。そもそもカナリア諸島そのものが火山活動によって誕生したんやで。特に島の北部の崖は表情豊かなんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かにただゴツゴツしてるだけではないですね!岩肌に走ってるこの縦の筋…まるで柱が無数に密集しているようですね!」

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(#^.^#)「これはな、柱状節理と呼ばれるものやで。柱状節理は溶岩が固まる過程で生まれたものなんや。溶岩は時間をかけて冷え固まると規則正しく柱上に亀裂ができるんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「まるでパイプオルガンみたいですね!」
(#^.^#)「これを見たスペイン人も同じことを感じたんやろうな…彼らはこの崖をロス・オルガノスと名付けたんや。スペイン語でパイプオルガンという意味やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「今も昔も感じることはそんなに変わらないんですね!」

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(#^.^#)「火山活動の痕跡はここだけやないで。森に包まれた山頂付近にもあるんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「巨大な岩がいくつもありますね!」

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(#^.^#)「これらの岩はかつての溶岩ドームなんやで。まず、粘り気の強いマグマが盛り上がり固まってな…その後で侵食により硬い部分だけが残り岩山になったんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「こんなにも巨岩があるのはマグマがあちこちで上昇したってことなんですか?」

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(#^.^#)「せや。今でも活発に活動している火山もあるんやで。それが隣のテネリフェ島にあるテイデ山や♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「日本の富士山によく似た山ですね!」
(#^.^#)「標高も富士山に近い3718mなんやで。大西洋では一番高い山や。テイデ山とその周辺はテイデ国立公園になっといてな、ここも世界遺産なんやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「火山ガスが噴出してますね…さすが活火山です!」
(#^.^#)「ラ・ゴメラ島は火山島、そしてテネリフェ島も火山島。とくれば…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「カナリア諸島は火山島の連なりなんですね!」
(#^.^#)「せやせや。ここには東に移動するプレートの下にマグマが噴き出すホットスポットがあるんや。そして大きな噴火の度に島が生まれたんやで。せやから七つの島が東西に並んだんや♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「それがカナリア諸島の成り立ちなんですね!」
(#^.^#)「ガラホナイがあるラ・ゴメラ島ができたのはおよそ1100万年前のことやと考えられとるんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「でもこの島って不思議ですね!岩がちな島の大部分は乾燥してるのに山の上の方は緑豊か…なにかおかしくないですか?」

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(#^.^#)「ええとこに気がついたな!その不思議こそがガラホナイを世界遺産にしたんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「伊達に世界遺産を勉強しているわけではないですよ!」
(#^.^#)「ラ・ゴメラ島でそんなに雨が降らないのは間違いないんや。海辺の乾燥地帯では砂漠と同じくらいの降水量のところもあるぐらいやからの。あそこに森をもたらしたのは雲やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「そんなに都合よく雲ができるんですか?」

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(#^.^#)「となりの島からラ・ゴメラ島を見るとな、島の上空に帯状の雲が水平にたなびいているのがよく分かるんや。このあたりでは高度1000m付近にこのような雲が発生するんやで。それは山の高さとほぼ同じなんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「つまり山と雲の高さがたまたま同じくらいだったから山の上の方に森が生まれたってことですか?」
(#^.^#)「それだけやないで。カナリア諸島の上空には一年中同じ向きの風が吹いとるんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「貿易風ですね!」

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(#^.^#)「せや。それでな、この貿易風は北半球では北東から南西に吹くんや。特に高度1000m付近の風は湿気が多く、この風が海上に発生した雲を島に運んでくるんやで♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「毎日のように現れる雲が湿気をもたらし、雨があまり降らないガラホナイの地にこの不思議な森を産んだんですね!」

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(#^.^#)「ここまでくると森が島の北側に偏っているのも簡単に理解できるでな」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「北東から風が吹くからですね!」
(#^.^#)「雲はこの地にコケに覆われた幻想的な森を産み出しただけじゃあないんやで。この島には1年でわずか20日ほどしか見られない美しい自然現象があるんや♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「すごいですね!雲が山の尾根を越えて滝のように流れ落ちてますよ!!」
(#^.^#)「滝雲やで♪この現象が起きるにはいくつもの条件が必要なんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「どんな条件ですか?」
(#^.^#)「まず、山と同じくらいの高さに水分量の多い雲が発生することや。この時、上空には暖かい空気の層がないとだめなんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「それだと雲が山と暖かい空気の間に閉じ込められちゃいますね!」
(#^.^#)「こういう状態になった時に強い風が吹くと逃げ場のない雲は山の尾根に沿って流れ落ちていくんや。この滝雲も貿易風が運んできた雲なんやで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「とっても神秘的な光景ですね!」
(#^.^#)「そしてこの水平にたなびく雲が産み出したものが山の上だけにある森なんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「雲の話ですごく盛り上がっちゃいましたね!」

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(#^.^#)「…(^^;雲の湿気によって育まれた森は一年の間ずっと緑の照葉樹なんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「うっそうと茂ってますね!なんだかワクワクしてきました!!」
(#^.^#)「この森は少なくとも1万年以上続いていると考えられとるんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「まさに太古の森ですね!」

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(#^.^#)「多くの木がコケに覆われとるやろ?このコケが湿気を捕らえ森を潤したんや」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「コケさまさまですね!」
(#^.^#)「かつて照葉樹の森はヨーロッパ南部に広く分布していたんやで。でも、氷河期にそのほとんどが失われてしまったんや…」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ここは大丈夫だったんですか?」

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(#^.^#)「カナリア諸島には氷河が及ばなかったからの…それで生き残ることができたんや。といってもこの地が木々にとっての楽園ってわけでもないんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「どうしてですか?」
(#^.^#)「確かに雲は森を潤してくれるが、日の光を遮ってしまうものでもあるんや。せやから木々はわずかな光を求め身をよじるように枝を伸ばすんやで。それでも木々の寿命はそんなに長くはないんや…」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「厳しい世界なんですね…」
(#^.^#)「そんな森の中に樹齢が数百年という巨木があるんやからすごいでな!」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「ホントですか!まさに木の王様ですね!!」

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(#^.^#)「それがこれ、この地域の固有種ビニャティゴや。何本も生えているように見えるけど、一本の木なんやで。古い幹が朽ちても新しい幹を次々に作ることで命を繋いできたんや♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「一つの根で何百年も生き続けている木は威厳がありますね!」

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(#^.^#)「今さらやけど…森を降りるとそこにははからっからに渇いた世界が広がっとるんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「確かに今さらですね!」
(#^.^#)「はたしてそうかな?」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「むむっ…よく見ると海沿いにも関わらず緑豊かな場所がありますね!」
(#^.^#)「畑やで♪しかも育てているのはバナナやで」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「ちょっと待ってくださいっ!ここは雨がほとんど降らない荒涼とした岩の島ですよね?そもそも熱帯で栽培されることが多いバナナなんて無理じゃないですか?」
(#^.^#)「ついさっき見てきたガラホナイの森を潤す水、それは雲が運んだものや。そして雲は小さな水の粒が集まったものやで。それを集めてくれるのがコケなんや」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「コケが雲を水滴にしているんですね!」
(#^.^#)「せや。雫はやがて清流となり雨がそれほど降らないこの島でも豊かな流れが生まれるんや。この島では標高が下がれば森は途絶えるが、水の流れが途絶えることはないんやで♪」

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(⁎˃ᴗ˂⁎)「森の水が麓に暮らす人々の暮らしを支えているんですね!」
(#^.^#)「森は天然の貯水タンクなんや。水が豊富にあるからこそ雨の少ない海沿いに畑が生まれ、様々な作物が栽培されるんやで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「もともと温暖な島だから水を大量に必要とするバナナも作れるんですね!」

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(#^.^#)「平らな土地が少ないから段々畑になっとるのもええな♪」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「のどかな景観ですね~♪」
(#^.^#)「世界でも貴重な照葉樹の森を育む高地と岩だらけの乾燥した低地。ラ・ゴメラ島は二つの顔を持つ島やで」
(⁎˃ᴗ˂⁎)「雲が織り成す不思議な島ですね!」

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